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  1. 鳥取県議会 2021-06-01
    令和3年6月定例会(第8号) 本文


    取得元: 鳥取県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-07
    ▼最初の箇所へ        午前10時00分開議 ◯議長(内田博長君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の議事日程は、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑であります。  なお、一般質問並びに質疑終結の後、議案並びに請願、陳情を委員会に付託いたしたいと思います。  それでは、まず議案第1号から第14号までを一括して議題といたします。  これより、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  10番尾崎薫議員 ◯10番(尾崎薫君)(登壇、拍手)皆様、おはようございます。早速始めさせていただきますが、最終日にするというのは初めてのことで、ちょっと緊張しています。  では、第1、幼稚園・保育園の安全確保について。  6月22日のニュースで、昨年、保育・幼稚園施設などで子供が大けがをした事故が2,000件を超え、過去最多となったと報じられました。事故はいつでもどこでも起こり得るものですが、とりわけ起こってほしくないと思うのが子供の事故です。しかし、残念ながら、1月の新聞報道にもありましたように、昨年12月、鳥取市内の幼稚園で、廊下において、やかんに熱したジュースを持った保育士と園児が衝突し、園児がやけどを負う事故がありました。新聞には、園は救急車を呼ばなかった、園側は近くの医療機関に連絡し、母親が1人で男児を医療機関に連れていったとありました。幼稚園は、事故を重大に受け止めている、園の安全管理が不十分だったことが原因、子供たちが安心して過ごせる保育環境とするために最大限努力するとコメントしています。  事故は決して起こしてはならず、幼稚園、保育園児を、朝来たとき同じ元気な姿で家に帰すのが園の仕事であり、大原則です。しかしながら、現実はそうではありません。「事故は起こるもの」ということわざにもあるように、事故は起こり得ます。そのとき、私たちがすべきことは、事故を正しく検証し、原因を探り、二度と起こらぬようにすることです。  さて、設備、運営の基準等についての指導監査権限は、公立、私立の幼稚園、保育所、幼保連携型認定こども園、そして認可外保育施設、いずれも県にあります。ただし、鳥取市の場合は、私立幼稚園以外は中核都市である鳥取市が管轄するとなっています。しかし、子供の安全に関わる事故等については、公立幼稚園以外は、所轄庁として都道府県知事が指導を行うと理解しています。私立の幼稚園、保育園の場合、県としてはどのような対応ができるのか、知事にお尋ねいたします。  2点目です。鳥取県警における男女共同参画、ジェンダー平等について。  鳥取県警におかれましては、県民の安全を守り、安心な社会をつくるために、全職員の皆様が一丸となって奮闘、努力されていることに心より感謝いたします。  県警と聞くと、何か近寄り難い男性社会であるかのようなイメージを持つ方もおられると思いますが、実は、駐在さんがそうであるように、頼りがいのある地域の守り神だとも言えるのではないでしょうか。今後も犯罪には毅然と対峙し、県民には親しみやすい頼りがいのある県警察であってほしいと願っています。そのためには、男女を問わず、優秀な人材確保と育成や職員が働きやすい職場環境づくりが求められます。先日の松田議員代表質問で警察官の離職率について触れられ、また、2月議会の興治議員代表質問で、鳥取県警男性育児休業取得率56.5%で全国断トツ1位ということを取り上げられておられました。県警がよい仕事をするには、よい人材とよい職場環境が男性にとっても女性にとっても大事です。県警は、ジェンダー平等、すなわち男女共同参画の視点に立った環境づくりに頑張っておられると思いますが、男性の育児休業取得促進のほかに、女性が活躍するためにどのような施策を行っておられるでしょうか。県警本部長にお尋ねし、壇上の質問といたします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)尾崎議員一般質問にお答え申し上げます。  私のほうには、幼稚園等におきます事故につきましてお尋ねがあったところであります。  このたび報道されました事故に遭われました児童、そして御家族には、心からお見舞いを申し上げたいと思います。私ども県としてもやるべき使命を果たさなければならない、そのように改めてお誓いを申し上げたいと思います。
     今、議員のほうからは、果たしてそうした行政機関のほうで何ができるのかというお話がありました。これについては、大原則としては、私立学校法という法律があります。この私立学校法につきましては、幼稚園も対象となるものであり、淵源をたどれば、憲法の学問の自由に帰着します。その憲法のほうでは、私学の独立、公の支配に属さないという、そういう学の取扱いの原則が定められているところです。恐らく、戦争直後、マッカーサーと協議をしながら日本国憲法をつくったと思いますが、その頃は、大学の自治のようなことなどを一つの基軸にして、こういう条文が置かれたのだと思います。  ただ、以来、この私学の独立については、様々な憲法判断が裁判所でも出されてきました。例えば、公の支配に属さない、そういう私立学校に対して補助金を出していいのかということなども、過去は憲法問題として裁判所で争われてきました。結果としては、いわゆる憲法の一つの理想はありますけれども、一定程度、やはり行政が関わって、補助を行うことももとよりでありますが、その大学の中での様々な問題につきまして、やはり公が関与する機会というのは認められてきているというふうに、大きな時代の流れは動いていると思います。  最近も旭川医科大学の人事をめぐりまして、大変な社会問題になっているところでありますけれども、あれに行政が関わるかというと、ああいう内部の自治の問題、人事の問題などはなかなか関わりにくいことかもしれません。ただ、そういうようなときでさえ、実は私立学校法の中では一定程度関与し得るものがありまして、場合によってはそれに行政権限を発動するというようなことも想定されているところであります。それは中における大変な不正だとかそういうことがあった場合ですね、そのときはやはり公的立場からも関与していくということがあります。  今回は、事故の問題であります。これにつきましては、平成28年に文部科学省、幼稚園を所管するところ、それから、保育園を所管する厚生労働省、さらにはこども園、こういうものを所管する内閣府、こうしたところが連名で、事故についてのガイドラインというのを出しています。もともと保育園等はかなり行政機関が関わりながらやっているという生い立ちもありまして、保護者にとりましては、どの園に行っても同じような、子供を預かって幼児教育をしたり保育をしてもらえると、こういう施設でありますので、連名で一つのガイドラインというのをつくって出されているものであります。  これによりまして、そういう私学の問題、保育園の問題、こども園、みんな違うのだというよりは、やはり一つのアプローチをしようというのが今の国全体の流れであろうかと思います。このガイドラインに基づきまして、事故が起こったときは、直ちに報告をすることになります。この第1回の報告は、あらあらの概要で、国まで届け出るということになり、それを進達機関が進達をしていくことになります。それが県であったり、権限があるところだったら市町村ということもあるかもしれません。いずれにせよ、県関連のところであれば県ということになります。  さらに、第2回の報告というものも規定されていまして、これは調査をした上でその原因、要因などを調べて、そして報告をすると。いずれも園のほうがやるべきものでありますけれども、そこに進達機関としての県も関わっています。  さらに言えば、必要に応じて調査を行い、それを県独自で行ったり、それから園のほうに指導したりということもできるようになっていますし、また、このガイドラインは結構事細かく書いてありまして、事故が起こったときに、保護者とどのように園は接すべきかと、こういうものも例を引きながら書いているところであります。だから、従来よりも大分今は踏み込んだ形で、こういう事故に対して関与するということが行政機関のほうでも求められてきているのではないかと思います。  今回の案件につきましてもいろいろと我々も重大な関心を寄せて対応していくべきものだと思っております。先ほど議員がおっしゃいましたように、事故はアクシデントでありますから、起こり得るものだろうと思います。ただ、それが惹起する、子供や家族に与える非常に大きな影響というものがありますし、まだ小さい子供さんが将来も背負っていかなければならない、そういうけがということもあり得るわけでありまして、やはり細心の注意を払って安全管理義務を園は負っているものであります。それは、私学の独立だからといって阻却されるものではないと思います。ですから、私たちは、そうした事故が再発されないように、やはり公共機関として役割を果たしていきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)服部警察本部長 ◯警察本部長(服部準君)尾崎議員一般質問にお答えいたします。  私のほうには、県警察における女性職員活躍推進の施策についてお尋ねがありました。  女性職員活躍推進のためには、まず第1に、幹部職員を含む職員の意識改革と制度の周知が必要であると考えております。具体的には、幹部職員に対しましては、人事評価の業績目標として設定したり、研修を開催するなどして意識改革を行っているところでございます。また、職員に対しましては、気兼ねなく出産、育児、介護などの個々の職員の事情に応じて仕事と私生活の両立支援制度が利用できるよう、共用資料の活用や該当者への声かけによる制度の周知などを行っております。  第2に、職員が働きやすい職場を構築するためには、様々な視点からの意見、とりわけ男性職員が多い警察組織でございますから、女性職員の視点を反映させることが重要であると考えております。県警察におきましては、警察本部と各警察署に設置されました女性の会、こういったものの活動を通じまして、女性職員自らが環境改善各種施策について意見交換などを行っているところであります。こうした意見を各種施策や庁舎の新設、改修などに反映させているところでございます。  第3に、警察組織を維持していくためには、優秀な職員の採用が必要でございます。特に、優秀な女性警察官の採用は、警察組織における多様化をもたらし、県民の皆様からの警察に対する様々なニーズに的確に応えることを一層可能とするなど、警察組織の質的強化に資するものであると認識しております。そのため、採用パンフレット等女性職員によるメッセージや、妊娠、出産、育児に関する制度の掲載、リクルーターの約4割を女性職員とするなど、強力に推進しているところであります。  こうした取組によりまして、女性警察官の全警察官に占める割合を令和7年度当初までに13%とする目標でありますところ、今年度当初では11.6%という状況となっております。加えまして、令和2年度からは、男性職員配偶者出産休暇及び育児のための休暇の合計取得日数を4日以上の取得率を新たな目標としました。その目標を取得率100%としていますところ、初年度は76.7%ということでございました。  引き続き、多様な働き方が受け入れられ、職員一人一人が心身ともに健康で、持てる能力を最大限発揮できる職場環境の構築を図り、県民の安全安心の実現に向けた組織づくりに取り組んでまいる所存でございます。 ◯議長(内田博長君)10番尾崎議員 ◯10番(尾崎薫君)それぞれ答弁いただきました。  まず、県警本部長にお聞きいたしますが、本当に細やかな努力をされていて、敬意を表したいと思います。確かに意識改革というのは一番大事だなというふうに私も思います。そして、いろんな女性の会をしたり、職場で意見をすくい上げるだの、それからリクルートの女性を4割配置するだの、本当に細やかだなと思います。  2点、管理職についてはどうなのでしょうか。だんだんと増えてきていると思いますが、やはりトップに女性がいるというのは、佐野本部長が実績として示されたように、やはり大分組織が変わってくる、視点も変わると思います。その辺の努力についてお聞かせください。  それともう1点、ちょっと3月の常任委員会でもお聞きしたのですけれども、武道の募集のところですね。警察官Aの武道のところですね。男性に限るとしているのですけれども、限らないといけないでしょうか。例えば、阿部詩選手並みの女性が応募してきても駄目なのでしょうか。他県ではどうなっていますか。この辺のこともちょっと考えていただけたらと思いますが、いかがでしょうか。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  服部警察本部長 ◯警察本部長(服部準君)尾崎議員から、重ねて女性警察官の管理職が少ない理由と、増員対策等についてお尋ねがございました。  まず、女性警察官の数でございますけれども、本年度当初で育児休業等の定員外の人数も含めて143人となっておりました。この10年間で70人増加している状況でございます。  女性警察官の幹部への登用ということでございますけれども、本年度当初で警視以上はおりませんで、警部は5人と、こういう状況でございます。その原因でございますけれども、育児との両立が困難である、あるいは昇任後の責任の増加や業務に対する不安がある、遠方への転勤が困難であるなど、上位の職に就くことに消極的な状況もあるのであろうと把握しております。  県警察におきましては、これらの原因をできるだけ解消しようと取り組んでいるところでございます。まず、育児との両立でございますけれども、各種両立支援制度を気兼ねなく利用できる環境の整備を推進しておりますほか、育児休業中は、職場からの随時の連絡や、育児休業からの職場復帰時には研修会を開催するなど、職場復帰に対する不安の軽減を図っております。  次に、昇任後の責任の増加や業務に対する不安に対しましては、他の府県警察や県庁、あるいは民間の女性管理職の方による講演や座談会を開催しておりますほか、今後、ロールモデルとなり得る警部昇任試験に合格した女性警察官を講師としたキャリアバトンセミナーを開催するなどしております。転勤に伴う転居の問題につきましては、平成31年2月から、業務上の理由で居住地を指定した者以外は、居宅の転居を伴わず通勤が可能となるように、居住地の制限を見直したところであります。  県警察の昇任制度では、性別等は関係なく、能力次第で上位の職に就くことが可能でありますから、今後、女性幹部も増加してくると期待しているところでございます。  次に、警察官採用試験における武道枠を男性に限定している理由等についてお尋ねがありました。現状、まず警察においては、男性警察官のほうを多く採用している実態がございます。これは、警察が個人の生命、身体、財産の保護、犯罪の予防、鎮圧、捜査、被疑者の逮捕などを責務としておって、例えば、暴力事件への対応であるとか、泥酔者の保護、こういったことを行う場面もございます。こういったことによるものであろうと考えております。  警察官は、そうしたことに備えまして、平素から柔道、剣道等のいわゆる術科、いわゆる武道の訓練を行っております。この警察官採用試験における武道枠でありますけれども、その目的は、そうした将来的な術科の指導者となり得る人材を確保、育成して、それによって警察官の術科技能を向上させて、現場における事態対処能力を向上させるということにございます。  こうしたことから、現状、男性警察官が現場の多数を占める、こういう状況でありますから、男性の指導者を確保、育成する必要性が高いということから、これまで武道枠においては男性に限定して募集を行っているものであります。  さらに、武道枠募集について、男性に限定するべきか、女性にもチャンスをという御趣旨だと承りました。全国、他の県警を見ますと、武道枠の性別を指定して募集していない県もあるようであります。また、女性警察官も増えてまいりましたし、施設面などもろもろ環境も整ってまいりましたので、この辺りで前に進むべき検討をする段階に来たのかなというふうに受け止めております。ですので、武道枠募集において性別指定をなくすことについて、人事委員会など関係機関と協議を進めてまいりたいと考えております。 ◯議長(内田博長君)10番尾崎議員 ◯10番(尾崎薫君)前向きな答弁、大変うれしく思います。ちょっと聞いてみれば、他県では約8割くらいが撤廃していると聞きますので、ここも鳥取県に1番になってほしいなと思っていましたけれども、1番ではないですね。でも、前に向いていただけるということでうれしいと思います。  管理職の件、育児の件の不安とか責任の不安、転勤のこと、全部対応していただけていて、これを活用して女性が伸びていければいいなというふうに思います。  以前、10年ぐらい前になるのですけれども、白バイに憧れて警察に入りたいという学生がいました。それで入ったのです。でも、2年後ぐらいに出産されて、それが居住地ではないところにやはり行かなければいけないということで、泣く泣く諦めたという女性がいたのですね。そのことがずっと私は頭にあったものですから、うれしく思います。ありがとうございました。  次に、知事のほうにお伺いします。事故の再発防止というのは本当に重要なことで、こういうのは正確な検証、いろんな人の意見が私は大事だと思うのですね。もちろん園側が頑張って検証されるのも一つです。知事がおっしゃったように、県も入れるのだと。それから、県も一生懸命支援もできるのだということで、ぜひこの辺はしていただきたいなと思いますが、実際、知事がおっしゃったように、事故の第1報というのは、その当日、もしくは翌日にするということで、本当に簡単なものしか報告が来ません。そうなると、県ではどんな事故なのか、どれくらい重大な事故なのか、あまり分かりづらいと。  それで、第2報は、それから1か月ぐらいをめどに、もっと詳しいもの、再発防止を含めたものを出すということになっています。この第2報のときには、保護者に見せてきちんと了解を取らなければいけないというふうになっておりますけれども、そのときになって了解を取るのではなくて、第2報に来るまでに保護者の意見、それから思いなども、状況はどうだったのかということを、やはり両方を聞くべきではないかなと私は思っています。園側も真摯に対応されますけれども、ただ、保護者は保護者なりの考え方があると、被害者を保護しようと、私は思っているところです。  そういったことで、再発防止するためにも第2報に行くまでに県としてやはり両方の意見を聞くという努力をすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)尾崎議員から重ねてのお尋ねがございました。  いろんな発想があると思います。議員のほうからは、第1報から第2報に行くまでの間に、県として関与すべきではないかということであり、それもできないことにはなっていません。第1報が出てから、それから第2報に至るまで、いろんなやり取りをしますので、そこで県側で自ら調査をして、それを園が行う第2報の中に書き込むように指導していくということは、それは一つあり得るかなと思いますので、今後の参考にさせていただきたいと思います。  ただ、今回のケースは、私もちょっと事情をこのたび初めて知ったのですけれども、第1報が出るまでに約一月かかっていますし、第2報が出るのに3か月かかっていると。私はちょっとその辺の事情が解せないところがありまして、中途半端な関わり方を行政がするよりも、むしろ行政が自ら調査をすべきほど混乱しているのであれば、自ら調査をするという選択肢を私は選んでもいいのではないかなと思います。  議員がおっしゃったように、いろんな見方が一つの事件についてはあるわけでありまして、それについては、やはり各方面、今は国が想定している第1報、第2報は園が行うものでありますので、園側のものでありますけれども、ただ、本当の真相究明事故再発防止に必要であると考えた場合には、県として検証するということも考えなければいけないのではないかと思います。今日、ちょっと議員の御意見も聞かなければいけないのですけれども、必要があれば、今からでもやはり今後の再発防止に向けてそうした調査をやっていくということは必要かもしれません。  第1報を出すのは、やはり迅速でなければいけないと思います。一月かかるというのは解せない。これは何があったのか、私も今後よく調べてみたいと思いますが、恐らく園側とのやり取りに時間がかかったということだと思います。しかし、第1報は事故が起きましたということを知らせるためのものであって、そこに何かのやり取りの余地は本来ないはずですね。ですから、これは生の情報がそのまま届いてもいい。第2報のほうは、原因究明でありますので、園側の自主的な調査なども進めていただいたり、また、事故に遭われたそういうお子様のほうの事情も聴いた上でということもなされなければいけません。  そういう意味で、時間がある程度かかるものであって、一月で出せるかというとそうではないかもしれませんが、ただ、そこにおいて、なかなか報告が取りまとめられない事情があるのだとしたら、むしろ積極的に県も関わらなければいけない場面というのは想定されるのではないかなと思います。 ◯議長(内田博長君)10番尾崎議員 ◯10番(尾崎薫君)御答弁いただきました。必要とあれば、園側の話を聞いてみたいということでしたけれども、私の聞いたところでは、第1報、いわゆるこんな事故が起こりましたというのが12月28日に出ているはずです。本当に簡単なものです。どこの部屋で何が起こったぐらいなことなので、それを第1報と私は勘違いしていたのかもしれませんが、それが第1報で、それが本当に簡単なものなのでよく分からない。それで、知事がおっしゃったように、もう少し詳しいことが分かるまでに調査ということは必要だなというふうに思います。  それで、いろんな園に行ってみました。12~13、特に私立の幼稚園、保育園に行って、危機管理はどうされていますかとか、いろんなお悩み事も含めて聞いてみました。ある幼稚園など、すばらしいマニュアルがありまして、研修もされていましたし、大体しっかりしておられますけれども、やはりまだまだだなというところも何件かありました。  いい点ですけれども、浜坂にある私立の保育所なのですが、近くに川があるということで、それで研修の場もきっちりそろっていました。ちょうどたまたま訓練の日に私は行かせていただいて、一緒に訓練をさせていただきました。そうしたら、先生たちが、ブザーが鳴る。そうすると、各年少さん、年中さん、年長さん、先生はばっと窓を開けて避難ができるようにするのですね。年少さんのところは、地震ですから、園児の頭の上にばっと布団が投げられてくるのです。それで、その上にどんどんと先生用のヘルメットをある先生が投げていく。それをかぶって園児を守ると。それから、年中さんになると、今度は机の下にばっとみんな隠れるようにするのですね。先生は、窓のところを開けたり、それから足が出ていないかとかざっと見る。年長さんになると、みんなざっとこう、園庭にすぐ出られるようなドアのところに行くのですね。それが本当に機敏に全部できていて、それでその間、園長先生が窓をきちんと開けていますかと、全部走られるのです。それから、園庭に集まってから近くの小学校に百何十人の小さい子から年長までが歩いていくのです。小さい子は本当に車に乗せていくのですけれども、「おはしも」と、押さない、走らない、しゃべらない、戻らない、これをしっかり守っていくのです。行きがけは静かに行きます。大したものだと思いました。  帰りになって、みんな気が緩んでいますから、えんえん泣く子もいるのですけれども、これは本当にすばらしいなと思いました。そこの園ではマニュアルもきちんとしていましたし、保護者の対応も、実はあるとき、ちょっと失敗したことがあったと。保護者の関係がうまくいかなかった。それを払拭するのに6か月かかったと。丁寧に丁寧にやっていった。それぐらいの努力があって、この園は安心だなと私は見ていました。  また、ある森のようちえんでは、やけどのマニュアルですね。ほかの幼稚園では大体熱湯ぐらいしかないのですが、電気のやけどもあるかもしれない、それから化学薬品のやけどもあるかもしれない。そういった場合はどう対応するのだと。それから、やけどのときには指がくっつかないようにきちんと乾いた布をしましょうと、懇切丁寧にきちんと書いてあるものを持っていらっしゃいました。そんなのをいろんな園で配って、私も参考に頂いたのですけれども、非常にありがたがられました。  こんなふうに、各園、努力はしていますが、大方の園で10センチぐらいのマニュアル、国がいろいろ出すのですけれども、膨大なのですね。持ってはいるのだけれども、どう役立てるかというところが課題だとぽろぽろとやはりおっしゃいます。  そこで、私思ったのが、やはり概要版というのがあるのですけれども、本当に地震だの火災だの不審者だの、いろんな避難のやり方、それから食物アレルギーから食事から何から、本当にマニュアルがたくさんあります。それをちょっと整理したものをみんなで研究会をするだとか、研修するだとか、そんなものを県も支援してみてはどうかなというふうにひとつ思いました。これも現場から本当にあって、県、国からのプリントアウトをしようと思ったけれども、何十ページもあってひるんでしまったというような声も聞きました。そんなことがあればいいのかなというふうに思ったりしました。  それと、もう1点、やはりいざというときには看護師さんがいる園がとても安心だと。いる園もあります。ただ、私立の園ではなかなか厳しいなというところもあって、まず2点あります。看護師さんの人材がいないということ。それから財政的に厳しいということもあります。そういったところを何か支援できないかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)尾崎議員から重ねてのお尋ねがございました。詳細につきましては子育て・人財局長のほうからお答えを申し上げたいと思いますが、まず、そうした安全対策の研究会は、地震の際の危機管理なども含めてやってはどうかと。いいと思います。今、実はいろんな研修会があって、特に毎年やっているような研修会がありますが、そこで安全対策をしっかりやりましょうということを言っているだけでは改善しないと思います。やはり具体の、今回のような事故があったことをきっかけにして、例えばやけどならやけど対策で研究してみましょうと。実際、各園でやっているはずなのですね。申し訳ないですけれども、一定の事故は起こっていると思います。ただ、それが重大なものにならない、あるいは起こったときにどう対応して応急手当をするかとか、少なくとも30日以上加療を要するような重大な案件であれば、やはり救急車を呼ぶ、あるいは園が責任持ってそうした医療機関と連絡を取り体制を取るなど、そうしたこともあっていいと思います。  そういう意味で、一つの事故があったことを契機として、やはり全県で皆さん心配しています。これは御家族だけでなくて、お勤めになっておられるそこの従事者、先生方も、やはりこうした場合どうしたらいいかなと。別にそんなことを好きで起こしているわけではないですから、どうしたら防げるかなというのはみんな重大関心事でありますので、皆さんに協力していただいて、そういう事故対策の研究会ということを立ち上げてやっていくということは効果があると思いますし、それをまたそれぞれの園のほうで共有していただいて、皆さんで話し合っていただく、そういうことがあっていいのではないかなと思います。ぜひ、ちょっと実行させていただければありがたいなというふうに思います。  看護師さんの配置については、最近は医療的ケアとかもありまして、そういう特別の配慮、障害児対策等々の一定の加配措置など保育関係では見られるところであります。  ただ、制度間のはざまが若干あると思います。そうしたこともございますけれども、一つ一つそれは園のほうでも考えて、実際に入ってこられるお子さんたちの関係でもできることですし、別に常駐していなくても、例えば契約をしていつでも駆けつけていただけるようなことも可能だと思いますし、今後の対策ですね、いろんな工夫の事例を各園のほうにも御紹介申し上げていくのも手かなと。  いずれにいたしましても、局長のほうから詳細を御答弁申し上げます。 ◯議長(内田博長君)中西子育て・人財局長 ◯子育て・人財局長(中西朱実君)教育、保育施設で重要な事故が発生した場合には、各施設に対していろんな注意喚起等を行ってきました。例えば、令和元年5月ですけれども、川崎市で登校中の児童が殺傷されるというような事件があったときには、通学路における見守り活動とかを調べたりして注意喚起、また、6月には、大津市ですか、保育で散歩中の子供たちのところに車が突入してくるというようなこともあって、その点検の結果、ガードレールの設置というようなことにも結びついております。  今回のこのやけどのことにつきまして、県内の幼稚園や保育所で火に関わるような保育活動、教育がまずどんなことがあるのかということを洗い出すとともに、それに伴ってどういう対応を、事故にならないような予防をどういうふうにする、起こったときにどういう対応をするといったようなことをまず全部調べまして、尾崎議員紹介もございましたいい対応の例があるという、そういったものも参考にさせていただきながら、改めて注意喚起等を行いたいと思います。  また、毎年保育士の先生方等の研修も実施しております。そこにおいて、事故防止、事故対応ということを重点的なテーマにいたしまして、今年度改めてそういったことを研修で徹底していきたいなと考えておるところでございます。  幼稚園の看護師さんのことにつきましては、早速、園の状況と全国の状況等も調べさせていただきまして、その後、検討をしてみたいと思います。 ◯議長(内田博長君)10番尾崎議員 ◯10番(尾崎薫君)御答弁いただきました。注意喚起をぜひしっかりとやっていただきたいと思いますし、実は、いろんな園に参りましたときに、いや、うちもそう言えばお鍋でお汁を運んだりすると、ばちっと蓋をして開かないようにしているけれども、やはりそれはやめたほうがいいですねと園長さんがおっしゃったのですね。蓋をすればいいとは思いますけれども、でもそれを持っていて地震が起きて、ぐらぐらとして子供に当たったりしないこともないですよねみたいなことも話が出てきて、やはり本当にいい契機になったのだろうなと思います。  ある園で、蓋はしているけれども、ばちっとは留めていないという園もありました。皆さん、本当にこれを契機に、いろんなことで学びにしようと一生懸命やっていらっしゃると思います。ただし、先ほど言いましたように、ガイドラインとしていっぱいあるのだけれども、何がどうなのかよく分からないと、しっかり整理をしていかなければいけないということはどの園もおっしゃっておりました。  ただ、やはりどこの園も安全管理に関しては本当に厳しい思いを持っておられます。一人としてけがを出してはいけない、一人として病気を出してはいけない、元気に帰すのだという思いはありますが、やはり事故は起こるのです。そのときに、先ほども言いましたように、きっちりした適切な対応と、それから保護者との関係をきっちり紡いでいく、そういうことがやはり求められるのだろうなというふうに思いました。  看護師さんの件についても、ある私立の幼稚園ではやはり1園ではなかなかなので、何々園さんと協力して、月、水、金があちらで、火、木、土がこちらでということもあるだろうし、パート的にやってもらうのでもあるかな、そんなことできるかなと思っているけれども、人材がいないというようなこともおっしゃっていました。そんなところをぜひ御支援いただけたらと思います。  それで、先ほどもちょっと言いましたが、再発防止、私はまだいろんな方々の意見が必要だと思うのですけれども、特に被害者の保護者ですね。それとうまくいくというのがとってもポイントになるのだろうと思います。  それで、いろんな学校でもありますが、先ほどもちょっと紹介しましたが、6か月かかったという園もあります。そういった場合に、保護者がやはり連携して、信頼関係がないといけない。そのために、特に保護者の理解が必要な場合、事故発生後には保護者の心情に配慮しながら、丁寧なコミュニケーションを心がけ、継続的な関係を構築することというふうにガイドラインにはあります。それでこそ再発防止にも取り組めると思うのですが、例えば、先ほど言いましたように、これは事故ではないですが、いじめによる自死が全国で起こっていますけれども、被害保護者と学校で相当意見が食い違っていて、保護者が不信感を抱き続けるという例も多々あります。これは事故においても起こり得ると思うのですね。  残念ながら、前述の事故も含め、被害保護者と園の良好な信頼関係に非常に困難な場合があるのも見受けられると思うのですね。こういった場合には、第三者的な立場の方の支援が必要だと思います。同指針にはこんなふうにありました。学校の設置者等は、被害児童生徒等の保護者と学校の2者間ではコミュニケーションがうまく図れず、関係がこじれてしまうおそれがあると判断したときには、双方の話を丁寧に聞き、両者が良好な関係を築けるよう中立の立場で現場対応を支援するコーディネーターを派遣することも考えられる。コーディネーターは、事故対応の知見を有する都道府県の職員が想定されるというふうにガイドラインにはあります。これは設置者の要請があればということではありますが、先ほどもありましたように、ちょっと心配だなという面があれば、こういうこともできますよというふうに県のほうから提案するのもどうなのかな、いいのではないかなと思いますが、いかがでしょうか。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)議員から重ねてのお尋ねがございました。  コーディネーターというのもガイドラインに書いてあります。ちょっと研究してみたいと思いますし、園のほうがそれを望まれるのであれば、それについては私どももぜひ協力させていただきたいと思います。  ただ、冒頭、議員がおっしゃいましたように、本来、やはり県として調査すべきではないかというお話がありました。もしそうであれば、我々としてやはり第三者的な調査委員会を立ち上げていく必要もあるのかなというふうに今、話をるるお伺いしていて思いました。  さっきいじめの話がありましたが、実は、いじめについては第三者的な委員会を教育委員会でなくて知事部局のほうの人権担当のほうで設置しまして、それで調査をする仕組みというのが設けられています。最終的には、できれば当事者間で一番分かった者同士話をしていただいて、それでその事案についての対処、フォローアップ、それから今後の再発防止、こういうことを方針として出していただくのが一番でありますが、どうしても様々な意見の対立や感情のしこりなどで前に進まなくなるような場合、そういうときに、やはりそうした第三者的な動きというのも必要なのかもしれません。  本件がちょっとどういうケースなのか、尾崎議員のお考えもいろいろとあるのかなと思いますが、コーディネーターでということであればそれも考えますし、ただ、両者の間でなかなかお話が進まないというようなことであれば、やはり第三者的委員会をこの際設置して、県としても調査をする必要があるのかなと。実は、ガイドラインの中にそういう行政のほうで調査を行うということも書かれていますので、そちらの選択肢もあるのかなというふうに思います。事案に即して検討させていただきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)10番尾崎議員 ◯10番(尾崎薫君)御答弁いただきました。確かに知事のおっしゃるように、どちらがいいのかというのは状況を見て判断していただけたらと思います。  ずっとこれ半年間ぐらいかけていろんなお話を聞いたり調べたりしたのですけれども、やはり思ってきたのが、本当に絶対死亡事故とかあってはならないですし、そして重大事故というのは、本当に子供の一生に関わるかもしれない、本人にとっても、それから親御さんにとっても、御兄弟にとっても、仲間の児童、保護者にとっても、そして何よりも園にとってもつらく悲しいことだと思います。ですから、子供の安全が何よりも最優先されなくてはいけないと思います。  事故は起こさないようにする、それが第一番です。ただ、起こったときには、職員全員が迅速に適切な処置ができて、対応ができるように訓練すること、正しく検証して、保護者に正しく情報を提供し、保護者たちとよい関係を築き、再発防止に全力を尽くす。これが園や県の責任ではないかなとも思いますし、また、保護者を含めた私たち大人全員の責任でもあると、ここ半年間で強く感じたところです。  そのためには、知事も前向きな御答弁をしていただいておりますけれども、県として、迅速で適切な指導、助言、御支援を全部の園に対してお願いしたいと思います。コメントがあったらよろしくお願いします。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)尾崎議員から重ねてのお話がございました。  これは幼児教育全体の問題だろうと思います。事故というのは、アクシデントでありますから、起こり得る。ただ、その蓋然性は低くなければならない。予防することが重要であります。それが最大であろうかと思いますが、起こったときのその後のフォローアップ、何よりその事故に遭われたお子様、あるいは御家族のケア、フォローが重要でありますし、また、再発防止につなげなければいけません。同じことを繰り返すことはあってはならないと思います。  また、その園の運営につきまして、ちょっと遡って、いろいろと同じような事故がないのか等々も含めて、やはり検証するということも、公益としてはやはりやるべき部分もあるのかなと思います。  どこの園も子供たちは大切に思い、理念を持って接しているわけでありますが、不幸にして事故が起きてしまう、場合によってはそれが繰り返される体質があったとすると、それを改革してもらわなければいけません。それが子供たちのためでもあり、園のためでもあります。そういう意味で、公益が働くべき仕事というのもあるのではないかなというふうに思うわけであります。  そういう意味で、今回の事故というのも一つの重要な事象でありまして、そのフォローアップのため、あるいは再発防止のため、県としても汗をかかせていただきたいと思いますし、こうしたことを全県に、やはり横展開をしながら、同様のことが県内で起きないように、私たちとしても対策を取っていかなければなりません。もちろん、幼稚園の場合、学校法人でありますから、学校法人と行政との一定の距離感というのはあるかもしれませんが、今、そうした幼稚園やこども園、保育園、こういうものの垣根が取れつつあるわけですね。やはり特に安全対策については、そういうものを一括して考えていかなければいけない、そういう時代に大きく変わってきているわけです。  現実にも、幼稚園の数はどんどん減っています。こども園に移行しているのですね。そういうことになりますと、こども園的なものがむしろ標準になってくる。こども園は保育園との言わばよいところも取り込んでつくっている制度でありますので、そうした意味で、今ちょうどこういう幼児教育、保育の変わり目に来ている。そこで果たすべき行政の役割というのも私たち、やはり自ら再検証していかなければならないのではないかなと考えております。 ◯議長(内田博長君)10番尾崎議員 ◯10番(尾崎薫君)もう終わりにしようと思います。一言だけ。  先ほどから随分出てきております答弁の園ですね。私は、ずっと応援しているのです。とてもいい理念を持っておられて、自然保育をやっていく。私は、本当にとてもいいと思っています。いろんな体験もさせておられます。だから、それがきちんと続いていくように、そして研修できて、もっともっとよくなるように、県として支援をしていただけたらと思います。それは全部の園に対して言えることだろうと思っています。これで終わります。
    ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  11時5分より再開いたします。        午前10時52分休憩    ────────────────        午前11時05分再開 ◯議長(内田博長君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  26番浜田一哉議員 ◯26番(浜田一哉君)(登壇、拍手)皆さん、おはようございます。鳥取県議会自由民主党の浜田でございます。いつもの最終日に発言をさせていただきます。今6月定例議会に当たりまして、私見を交えながら平井知事に質問をさせていただきます。早速、質問に入らせていただきます。  初めに、鳥取県における水産振興の取組について、知事に質問いたします。  我が国の漁業生産量は、1984年の1,282万トンをピークに年々減少傾向にあり、2019年は420万トンとなっています。近年では、漁獲に係る技術革新により、船舶の隻数やトン数制限による資源管理が限界を迎えつつあり、漁獲量そのものの制限に転換していかなければ、水産資源の確保が困難であるとして、漁業法の一部が改正されました。この資源確保のために、産卵期の操業規制、漁船の許可隻数や網の大きさ等の制限などとともに、TAC制度により漁獲量の上限が設けられています。現在、TAC対象魚種は、クロマグロ、サンマ、マアジ、マイワシ、サバ、スルメイカ、ズワイガニ、スケトウダラの8魚種が指定されており、今後さらにブリやカタクチ・ウルメイワシ、マダラ、ホッケなど10から20魚種が検討されるとのことであります。  資源確保については理解できるものの、本県の水産業全般に大きな影響を及ぼすものと危惧するところですが、平井知事の所見を伺います。  本県において、明治33年10月に県内で初めて、鳥取県庁構内に水産試験場が設置されました。以来、幾多の変遷を経て、平成23年から、境港市の鳥取県水産試験場が沖合漁業の調査機関として、また、東伯郡湯梨浜町の鳥取県栽培漁業センターが沿岸漁業の調査機関として独立再編され、水産業における調査研究や栽培漁業の推進、様々な情報提供や指導等を目的として設置されています。今回は、水産試験場について2点質問いたします。  水産試験場の大きな役割の一つに、水産資源調査があります。漁業法の一部改正により、資源管理について、令和5年までに現在の50種目から200種目の資源評価をすることとなると伺いました。ほかにも多くの調査研究をされている中で、場長ほか5名の職員で充実した業務が可能なのか、不安に思います。効率的な業務やAIの活用強化、アウトソーシングなど体制強化が必要ではないかと考えますが、平井知事の所見を伺います。  2点目は、令和元年度から始まったスマート漁業の推進についてであります。現在の取組として、漁業者の協力を仰ぎながら、水温や塩分を測定するための観測機器の貸出しや、漁船から潮流計を用いての海洋観測、また、沿岸潮流観測ブイで常時観測している沿岸潮流データを九州大学応用力学研究所に送信し、海洋予測モデルの高精度化を図り、3日先の海中の天気予報として、令和3年度中には漁業者にスマホアプリ等で提供する予定とのことであります。漁業者の高齢化が進む中、こうした操業の効率化を図る手法は、今後ますます発展していくことが予想されます。今後のスマート漁業の進展について、また可能性について、知事の所見を伺います。  次に、就労支援の取組について伺います。  鳥取県の就労支援の大きな特色として、本県独自の県立ハローワークの存在があると思っています。担当者に伺いますと、これまでの利用実績は、平成29年7月の開設から今年3月までで約18万7,000人の相談に対応し、約8,900人の就職が決定したとのことであります。新型コロナウイルスの影響が懸念される中、県立ハローワークの利用状況について担当者に伺いますと、現状、コロナの影響は特に見られないとのことでした。持続化給付金や雇用調整助成金、休業協力金・支援金など、国の緊急対策支援の効果と推察いたしますが、今後については予断を許さない状況であることには違いないものと思っております。  また、新型コロナウイルスの影響による求職相談、ささえあい求人の状況について担当者に伺いますと、昨年3月から今年6月12日時点で242件あり、内訳は、正規63件、非正規146件、学生9件、その他24件とのことでありました。現状と今後について、平井知事の所見を伺います。  これまで就労支援につきましては、商工労働部や教育委員会等の部局横断的な取組や情報の共有について、また、高校卒業時の記述による登録からアプリを利用した登録を提案してまいりました。その後、ふるさと鳥取アプリ「とりふる」を立ち上げていただき、知事の迅速な対応に感謝しているところであります。  担当者に伺うと、令和2年2月1日に運用を開始され、登録者数は現在1万1,000人を超えたとのことであります。登録者は、10代から20代の若者が77.7%と最も多く、登録者の81.4%が本県出身者であるとのことです。利用者からは、就活関連情報が役立っているとの意見が多く、ふるさと情報が継続的に届いてうれしいとの声も寄せられているようであります。  今年度は、県が所管する学生向け就活支援サイトを「とりふる」の機能の一部として位置づけ、統一デザインに一新するとともに、企業エントリー機能を追加する改修を行うとのことで、さらに利便性の向上や魅力アップにつながるものと期待しているところであります。今後の登録促進や機能強化について、平井知事の所見を伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田一哉議員の一般質問にお答えを申し上げます。  まず、水産振興につきまして何点かお尋ねがございました。TACの対象魚種が増えてくる、そういう意味で、本県の水産業全般に大きな影響を与えるのではないか。また、私どもの水産試験場の体制につきまして、TACの拡大、こういうものに対応する体制強化が必要なのではないか、こういうお尋ねがございました。  これにつきましては、度々、この議場でも取り上げられたことに関連しますが、国連海洋法条約が平成8年にできましたときにこういうTAC、漁業の総枠規制を行いまして、それによって漁業資源を確保しようということがなされるようになります。これで、例えばズワイガニとかマアジとか、そうしたものを管理していこうという機運が高まることになります。特に、最近では、SDGsの中に豊かな海を守ろうという項目もございまして、国際的にもその機運は高まってきておりますし、日本もその潮流の中にあると思います。  やはり、漁業資源は無限ではなく、この議会でも度々取り上げられましたように、それぞれの国の漁船が出かけていって取り尽くしてしまう、こういう危険が実はここ10年、20年高まってきているということです。ですから、我が国としても厳しい面はありますが、こういうTACによる規制をかけることは、北太平洋での漁業資源を守るということになります。典型的によく言われるのはクロマグロでありまして、北太平洋の西部地区におきますマグロ資源を保護しようと。これは今回、水産庁は少し元に戻してもいいのではないかという提案をしに行っていますが、なかなか国際的には話がまとまらないわけであります。ただ、こういう場において、そういう漁業の規制の総枠が課されるようになってきました。  この方向を加速させるものとして、このたび、改正漁業法が施行されることになりまして、水産資源全般について見直しをかけると。これで令和5年までに200の漁業資源、そういう魚種につきましてTAC規制を検討するということになりました。現に令和3年度につきましても、200とはいきませんけれども、かなりの魚種が関わってくるということになるわけであります。192の魚種が令和3年度は対象になりますが、そのうちの72までは鳥取県の漁業が関係している魚種ということになるわけであります。こんなように、かなり一気に拡大の傾向を見せているところです。  議員がおっしゃるように、言わば、漁業のたががかけられるわけでありまして、IQと言われます個別の規制にも関わってくるわけでありますから、漁業に対する影響というものはありますが、ただ、長期的に見て、ある程度はこの流れの中で操業していくことが漁業者自らの操業を守ることにもなるわけでありまして、ここは我々もぐっと、言わばこらえて対応していく必要があるのかなと思いますし、つまり、大切なのは、このTAC規制に絡んで、地域の事情と関係ないところで話が進んでしまうことにならないようにすることです。  例えば、ヨコワがありますが、このヨコワについて過剰な漁業規制がかかるのではないか。そういうときに、平成30年に鳥取県の水産試験場などの調査結果、こういうものをいろいろと提案させていただくことによりまして、過剰規制を抑制することができたということがございました。  また、記憶に新しいところでは、ズワイガニがなくなってしまうのではないかと報道をにぎわせたことであります。実際、漁業資源的には減少傾向が出ていて、このままいくと減っていってしまうと。このときに、鳥取県の水産試験場のほうでも調査をしまして、ズワイガニの資源量を確認しました。これで、言わば適正な漁業調整というものに結びつけることができました。これで、例えば今年度、昨シーズンなども、もしかするとどれほど減るかと思われたわけでありますが、そこそこの漁獲がありました。結局、そういう漁業資源の獲得の調整をかけることで、中長期的にそれを維持していくことも可能になってくるわけです。  ですから、一時的には厳しい面はありますけれども、持続可能な漁業ということを考えるときに、やはりこれは避けて通れないところかなというふうに思います。  ただ、マグロの問題でも結構感情論が混ざりまして、それが心配されるところでもあります。そういう意味では、常に漁業資源の確認を県がやって、適正な声を上げていく。かつてのヨコワの問題があったときのように、我々としてもそういう体制を備える必要があります。  そういう意味で、議員が御懸念されました水産試験場の体制が大丈夫だろうかということがあります。実は、水産試験場はいろんな調査をしているわけでありまして、当然ながら、漁業統計の管理もしているところでありますが、議場でもよく出ました第一鳥取丸を活用しまして、実際にトロールを引いて、それで漁獲の状況を調べる、これでズワイガニであるとか、そうした漁獲の動向を観察していくわけであります。それから、市場調査、市場の中での魚の出具合を見て、これを調査結果としてまとめていく。例えば、クロマグロだとかズワイガニ等々で今調査をかけています。また、魚体の精密検査をするわけですね。これも結構手間がかかります。大体大きさはどのぐらいだとか、そうしたことを一つ一つ測定をしていかなければいけないわけです。なかなか試験場の人間だけでこうしたことを全部やることが難しいところに持ってきて、先ほど申しましたように、令和3年度でいうと、TACに関わってくるようなところ、それが72の魚種にも及ぶということになってきますので、従来どおりというわけにもなかなかならないところがあります。  そこをいろいろと効率化したり、外部に委託をさせていただいたりして増やしていけないだろうか。人員的にも、これは地方交付税の変更もありまして、その強化ということが課題になってきておりますし、あわせて、例えばJFのほうにそういう魚体の精密検査、こういうものを委託して、それで非常に職員の手間がかかるところの緩和を図ることなどもやっているところであります。  こんなようなことで、効率的な業務の体制、アウトソーシングなども含めまして、議員が言うような御懸念に応えていかなければいけないと考えております。これはまだまだ続いていきますので、年々いろいろと体制の見直しを考えてまいりたいと思います。  次に、スマート漁業につきましてお話がありました。その可能性はどうかということでございます。これについては、典型的には平成23年度に2基、沿岸潮流ブイ、観測ブイを設置いたしました。昨年ももう1基追加させていただきまして、これをローテーションしながら、リアルタイムで潮流ですとか水温ですとか、いろんなものを観測して、これをICTの機能を使って、漁業者のほうにも提供させていただいております。  実は、非常に好評であります。こういうデータがやはり無駄な漁業、漁に行ったけれども、今日はもう何も捕れなかったと、あるいは、とても波が荒くて、もうそれどころではなかったとか、そういうことにつながらないように、このデータはかなり活用していただいているところでありまして、こういうスマート漁業というのをさらに進展させる必要があるのかなと思います。  さらに言えば、今、九州大学と提携しながらやっていますが、今年度中に海中の天気予報というのを鳥取県の対象海域でも実現していけないだろうか、今、そうしたことをやっています。九州のほうでは既に先行してされていますが、そういうことで、海の中がどうなるかということを予報していこうと。これはまだ端緒でありまして、だんだんとフィードバックをしながら精度を今後上げていかなければならないかと思いますが、こうしたスマート漁業というのがこれから重要になるだろうなと思います。  どうしてこういうものが活用されるか、実は、魚は変温動物でありまして、適水温があるのですね。非常にここは住み心地がいいと。その水温かどうかというのが漁場の形成に影響したりします。それから、潮流を調べて、湧昇流といいますが、湧き上がるように出てくる。これがプランクトンの動きなどにも影響してくるわけでありまして、そういうものを調べていけばいいということであります。  ですから、こういうデータを海の天気予報だとか、今、この潮流観測ブイのデータだとか、こういうものを漁業者が手にできることによりまして、計画的に効率的な漁業、操業ができることにつながっていきます。  こうしたことはいろんなアイデアがあるわけでありまして、例えば、海鳥たちの動向をドローンなどで見れば、ああ、あそこに大群がいるなというようなことが分かったりします。ですから、いろいろとスマート漁業の手だてというのはあるかと思います。これに漁業者のほうでも観測に協力していただく船を今順次造っているところでありまして、体制の強化を図っていきたいと思います。  次に、新型コロナと県立ハローワークとの関係につきましてお尋ねがございました。コロナの状況でありますが、本県、27日連続で出なかった、6月に入ってなかったのですが、久方ぶりになりますけれども、昨晩判明したPCR検査で4件の陽性者が見つかったところであります。  その状況を今関連の調査、夕べも御家族だとか緊急に調べる必要がある方は夜、追加で調査をしたりしておりました。今朝からまた関係者、例えば、職場のようなところとか、それから立ち寄り先だとか含めて、今、調査をしておりますし、その状況にもよりますが、今まで分かったところでも、やはり人が動くようになっています。緊急事態宣言が解除になりました。それで、蔓延防止措置に移行した地域との往来の中で、やはりこうした感染が本県にもやってきていると。これから心配されるデルタ株もあります。今、衛生環境研究所のほうで検体のうちの2つをそこで調査をしているところでありますが、また午後には別の機関でデルタ株のスクリーニングを取りあえずかけようと。その後、今はベータ株だとか、ガンマ株だとか、そうしたものも警戒されます。そうしたところも調べられる、我々としても全ゲノム解析、こういうものにも回していきたいというふうに思います。我々としては、精力的に鳥取方式と今の科学的手法等を駆使しながら、何とか感染の波を抑えていきたいというふうに思います。  前回、久方ぶりに出たときからは一気に第四波に突入しました。私なども肌感覚で感じるのですが、ここ数日間はいろんな筋がこちらに向かってきている、その兆候があったような気がいたします。第五波のゴングが聞こえてきたかなというように思います。  ですから、我々としても警戒していかなければいけないのですが、これが全国でどんどんせり上がってくる状態になりますと、当然ながら、事業に影響してきまして、雇用にも影響してくることになります。だから、ある程度中長期的な闘いというのを今後、コロナとの間でやる一方で、こういう雇用に与える影響というものを私たちは最小限にしていかなければなりません。  そういう意味で、議員のほうからお尋ねがございました見通しについてということでありますが、最近のGDPの予測からしますと、やはり久方ぶりに四半期でマイナスが立ちました。年率換算でも4%近いことになろうかということでありますが、実は、民間の調査機関でもちょっと交錯していますけれども、マイナスに行くだろうと今年度予測しているところのほうが多い状況です。  雇用のほうはどうかということでありますが、このたび明らかになりました5月の状況からいきますと、有効求人倍率1.39ということでありまして、これは前月比で0.05ポイント上がっています。また、正社員のほうも、正規の職員についても0.98ということでありまして、いずれも全国平均よりも大分上を行っていますし、正職員のほうも0.04ポイント、前月よりも上げていますので、かなり健闘しているということだと思います。  ただ、その要因を見てみなければいけません。議員がおっしゃるように、雇用調整助成金でつないでいる事業所が数多くあります。それから、県のほうの制度融資、ゼロ金利の融資で当面つないでもらっているところも数多くあります。この状況で、今、何とか地域で国の施策も活用しながら、雇用をつなぎ止めているというのが片方でありまして、決して予断を許さない状況だというふうに考えているところでございます。  そういう意味で、ささえあい求人・求職のマッチングということで我々はここ1年間ぐらいで窓口を開いてきておりますが、そういうところで地道に求人側と求職側とを結びつけています。先ほど申しましたように、現況1.39でありますので、ある程度のマッチングは可能な状況かと思いますので、そうした橋渡しが重要だろうと思います。  実は、女性の非正規がそのうちの3割を占めておりまして、やはり傾向としてはそうしたところに大きな圧がかかっているのかなというふうに思えるところでありまして、独り親対策等々も重要であり、政府が今やろうとしている孤独対策も一つの今後の回復に向けたキーになってくるのではないかなと考えているところでございます。  みなくるなども活用して、5月の補正予算でこうしたマッチング関係の支援の予算をお認めいただきました。それを活用して、みなくるから県立ハローワークに出張していただいて、いろんな相談事等も強化することをやってみたり、また、企業間での人の移動、こういう求人、要は、人員調整ですね。企業間で起こるような場合、こういうものの支援事業についても県独自のものをつくりましたが、これも一部活用していただいております。  ただ、恐らく本当の山はここからだと思うのですね。今は当面、もうコロナでどうしようもないということもあり、そこで何とか需要をかき立てようとして観光なども前向きに今動いています。回復の途上にあるかなと思います。ただ、それが今後どうなるかですね。昨日は西村大臣、コロナ担当大臣でもありますし、経済産業関係の経済財政諮問会議の担当大臣でもございますが、こういうようなことを我々との協議の中でおっしゃっていました。観光についての支援策を求めたのですけれども、観光が今、結構需要が戻ってきていると。それは、恐らくリベンジ消費と言われるものが入り始めているのではないか。特に、ワクチンを接種した高齢者の世代がいます。そうしたところなども含めて、今戻りつつあるのではないか。7、8月はひょっとするとそういう需要が結構出てくるかもしれない。こんなような見通しもおっしゃっていました。  ただ、私どもからすると、片方で今、デルタ株の問題が確実に東京で広がっていまして、昨日も20人ということでだんだん増えていると。恐らく見つかっているのは、本県と違って悉皆調査していませんので、ごく一部だと思います。そういう中で増えてきている兆候があるというのは重要だと思いますし、現実に神奈川県も昨日はステージ3のレベルに上がりました。こういうように、関東で増えてきている。それが地方でも福井県だとかそうしたところも上昇傾向がまだ歯止めがかかっていないところであります。特に、関東のこの伸びは、今後、急進化してくる可能性がありまして、そうなると、経済にかなりの影響を与えかねない。ですから、我々としてもお認めいただいた予算を活用したり、場合によっては調整費なども活用しながら、機動的に対処してまいりたいと思いますし、政府にも働きかけをしてまいりたいと思います。  次に、「とりふる」につきましてお尋ねがございました。この機能強化等についていかがかと、こういうことでございます。  これにつきましては、平成30年9月議会でまさに浜田議員から御提案もございました。その後、いろいろと実現に向けて検討を重ねまして、おかげさまで今、「とりふる」は伸ばしつつあります。かつての同じようなそういうアプリに比べますと、今、1万1,652人登録をしていまして、数もかなり増えてきました。特に15歳から25歳までの10年間のレンジがそのうち4分の3を占めています。ですから、やはりターゲットにきっちり当たった形で、今、活用されているかなと思います。  これを大事にさせていただく必要があるかなと。高校とかとも協力しながら、卒業するときに必ず入ってねというようなことをやってみたり、また、いろいろとキャンペーン、ポイント制なども活用しておりますので、そういうポイントの活用ですとか、それから、私どもは「#よきよき鳥取」便ということを昨シーズンはしました。あれも非常にコロナ禍で外出できない学生たちにとりまして、評判がよかったものでありまして、こういうこともあって、利用促進が今、「とりふる」は図られていると思います。  今後も一層、そういった展開をしていければと思いますし、また、機能強化を図る必要があると。利用者にアンケートをさせていただいているのですが、声の中には、もっと就職に使いやすいようにしてもらったほうがいいのではないかと。ここは我々としても強化すべき重要ポイントだなということで、予算もお認めをいただき、今、アプリの改修中であります。それによりまして、就職に使う、そういうマッチング機能なども入れたとっとり就活ナビの機能のこちらへの統合ということをさせていただいておりまして、これによって、なお一層、そうした機能面の強化が図れるのではないかなと思います。  いずれにいたしましても、やはりこれから若い世代が地方に改めて興味を示してきている潮流が始まってきておりますので、こういう「とりふる」というものを幅広く使っていただきながら、そういうI・J・Uターンにつなげていければと考えております。 ◯議長(内田博長君)26番浜田議員 ◯26番(浜田一哉君)御答弁いただきました。続けて、幾つかのことについて追及して質問したいと思います。  初めに、TAC制度について少し追及質問したいのですけれども、TAC制度というものは、聞きますと2年前の数字を基に数量制限をかけられるということなのですね。今、刻々と海の様子が変化していく中で、本当に指定された魚の資源が枯渇しているのかどうなのか。特に、アジ、サバ、イワシのような浮き魚のような魚というのは、寿命がもう1年から2年ということで、いつ捕れるのか、いつ捕れなくなるのかというものの予測というものが非常にしにくい魚種だと思います。  一方、それに対して、クロマグロとかズワイガニといった3年も5年も10年もかかるようなもの、そういったものというものは、比較的限定して調査も追えるというふうに思うのですけれども、先ほど、知事も言われましたように、国の政策によって湧昇流であるとか、人工魚礁であるとか、そういった取組の経過を見ながら、私はアジ、サバ、イワシのような魚というものがもうちょっと配慮、注意が必要なのではないかなというふうに思うところなのです。  特に、何でこういうことを言いますかというと、全体の数量というものは刻々と毎年変化しているのですけれども、例えば、生産者側からすると、イワシなどは、もちろん鮮魚でも出るのですけれども、いりこ等の二次製品も多く加工されて出されるのですね。そうすると、加工というのは、春の脂の乗ったイワシというものは使い物にならなくて、秋の時期のイワシが必要になるのですね。だけれども、総枠で制限されてしまうと、春の時期に思わぬ大量になってしまうと、今後、そういう加工用のイワシというものが秋にはもう制限になって、もうこれ以上漁獲することができないというふうな状況に陥ることも想定されると思うのですね。なので、いきなり幾ら以上捕ったらいけないというふうな制限をかけるということよりも、ある程度やはりその制限に留保を持たすべきではないかと私は思うのですが、知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて浜田議員からお尋ねがございました。  浜田議員のお考えに基本的に賛同するものであります。本県の主な魚種の一つであるマイワシは、私どもの境港の一つのシンボルのようなものでありまして、この漁業が活発になれば、全国での順位もぐっと上昇すると、大漁旗が上がる、そういう魚種でございます。  ただ、当たり外れが年によってあると。それはどうしてかというと、やはり対馬暖流系のマイワシの生態にあるというふうにも言われています。浮き魚というお話がありましたが、大変に魚群ができるわけですね。その状況によって、TACというものにそもそもなじみにくい部分ももともとはあるのだと思うのです。2年前の漁業資源を参考にしてということでありますが、しかし、漁場がどこで形成されるかということに大きく影響されるので、やはりもっと新鮮な、言わばデータでないといけないのではないか。あと、留保枠の問題、これらは我々としては漁業関係者も私ども県側も一致するところでありまして、国のほうにもその辺の働きかけは今後もやっていかなければいけないと思います。  そうした留保枠によって、季節的な変動のものももちろん吸収されますし、当たり外れのこともありますので、当たったときにはがばっと捕らなければいけない。そういう意味では留保がないと、言わば遊びの余地がなくなってしまうということですね。そういうようなことで、通常とはちょっと違った管理が必要なのではないかと思います。  マイワシの生態解明ということも重要でありまして、稚魚や幼魚のときの生態、それから成魚になっての回遊の分布状況、特に低水準期と高水準期で、大分回遊の仕方に差があるのではないかということがだんだん分かってきています。その辺の状況を対馬暖流系でどういうふうにマイワシが生きているのか、それをぜひ解明していただく必要があるのではないか、こういうことも国のほうに求めていく必要があると考えております。  これは鳥取県単県の問題ではなくて日本全体の問題でありますので、そうしたような議論も含めて、今の留保枠について主張してまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)26番浜田議員 ◯26番(浜田一哉君)ありがとうございます。ぜひそういった取組で、いろいろ、多分地域間の悩みというのは同じことで、生産者にとっても日本国中どこでも同じ不安を抱えていると思いますし、同時に、加工業者も本当に不安だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。  次に、カニのことにちょっと触れさせていただきたいのですけれども、蟹取県を標榜する鳥取県で、カニというと、メインは松葉、ベニズワイ、この2種なのですが、今議会でも代表質問一般質問で暫定水域のことに少し触れられたのですけれども、このベニズワイについては、800メートル以下の海でないと生息できない。そういったカニというのは、暫定水域付近に集中しているという実態があります。漁業者に、漁労長のお話なのですけれども、そこに行って外国船籍に囲まれると、とても操業ができませんよと、そういった声も知ることとなりました。予想はしていましたけれども、漁具を盗難されることだけではなくて、そうやって囲まれることがあるなどということになると、本当に今いろいろ国交が正常になっていない中ですけれども、それでも我々は声を上げて、国に対して本当に強くそういった環境を是正するような動きをやはりしていくべきではないかなというふうに思います。  ベニズワイは日本一の水揚げを境港は誇っているわけですけれども、今はちょっと日本一は微妙なようですけれども、売上げの高さでは2019年が16億8,000万円だったと思いますけれども、それもやはり生だけではなくて、本当に加工の裾野の広い魚種でありまして、ぜひ関連する自治体、あるいは議会も一緒になって、国に対して本当にやはり本腰を入れてやるべき時期に来たのではないかと私は思いますし、いろんなTAC制限を設けるからには、これは本当に日本海全体、世界全体の共通意識として諸外国に働きかけていくというのが大事でありますし、生産者も納得していただけるのではないかというふうに思いますが、知事の所見を伺います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田議員から重ねてのお尋ねがございました。  今議会で度々問われてきたところでもありますが、やはり漁業秩序の確立、それから取締りの強化、これらは国としてでなければできないところがあります。これについては、我々として従来から県のほうでも要望してまいりましたし、日本海沿岸地帯振興連盟、日沿連での要望であるとか、それから全国知事会での要望、中国知事会での要望につなげてきたところであります。これは若干政治力の要るところも必要になるかと思います。議会とも協力をしながら、ぜひ何らかの今後の運動展開ということにつなげていただければありがたいかなと思います。  前も申しましたように、以前であればこういう水域の問題につきまして、山陰漁業を確立するための自民党の中の議連も活発に動いていました。今そこが下火になっておりまして、もう一度、どういうようなフレームでやるのがいいのか、ちょっとなかなかまだ我々も何とも言えませんけれども、議員のほうでもお声がけをしていただいたりして、それで例えば党の水産部会とか、これは舞立参議院議員が部会長をされていますし、いろいろと働きかけのパイプはあるのではないかなと思います。  また、ベニズワイは、私どももそうですし、実は隣の兵庫県もベニズワイ漁が最近クローズアップされています。それから、ちょっと離れますが、北陸のほうもベニズワイガニがズワイ以上にやはり漁獲をしているところもございますので、そうしたこの辺の共通の願いでもあろうかと思います。  今後、我々サイドでも意見交換をさせていただいたりしながら、運動展開を図ってまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)26番浜田議員 ◯26番(浜田一哉君)ぜひ一緒に取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いします。  スマート漁業につきましては、先ほど知事がおっしゃられたとおりで、いろいろ先進的な取組、効率的な取組というものが九州周辺を中心として今やっておられるようです。私はこのスマート漁業が進むということは、要は熟練した漁師さんではなくても、若い人でもこういったアプリなりデータがしっかりと使えるようになると、この漁業というものがさらに広がりを見せるのではないかなと。  この人材不足の中で、より効率的な漁業ができるものというふうに思っておりますし、今、「トリトンの矛」という、そういった取組のアプリを会社で作られて、3,000隻が何か登録されているようですけれども、まだスタートしたばかりなので、どういうような評価なのかはちょっとよく分かりませんが、いろいろなデータを入れて、それを解析して、要はどこに行ったらば、何メートルのところにどういう魚種がいて、どういうところに網を打ったらこういう魚種か釣れて、最終的に売上げがどれぐらいにつながるかなどというところまでを目指しているプログラムというような話です。  今後もいろいろ注視していただきながらスマート漁業を推進していただきたいですし、今日は質問には上げていませんけれども、教育委員会のほうにもぜひ高校生に対して、こういった新たな漁業というものを生徒たちに紹介をしていただけたらというふうに思います。よろしくお願いします。  それでは、就労支援について少しだけ触れさせていただきます。  実は、後ればせながら、昨年このアプリを私もスマホに入れまして、いろいろ見させていただきました。すごい多機能で、実は個人的には感心するほど多機能で、就職だけではなくて、鳥取県のいろんなことがこのアプリから情報発信されていていいなというふうに思いました。  そこで、その推進に向けたお願いなのですけれども、高校卒業時ということがあったのですけれども、担当者に伺いますと、やはりまだ高校卒業時だけでは足りないのかなというような、そういう印象を持ちました。せめてその卒業年度の年末ぐらい、冬休み前に紹介をしていただいて、そして再度卒業時にもう一回確認してもらうというような、少しスパンを長くしていただいたら、もっと多くの生徒にアプリを入力してもらえるのではないかなというふうな印象を持ちました。  昨日の議論にもありましたけれども、若者の離職者が増えているというようなことがありました。この「とりふる」というのは、基本的には卒業者の生徒にまずは入ってもらうというような、そういう視点があったと思うのですけれども、例えば県立ハローワークの見出しだけでも結構なので入れてもらうと、そこから今度は県立ハローワークの情報が得られるとか、いろいろと県立ハローワークとも連携をしたり情報を共有したりして、お互いの機関が今よりもより充実したような運営体制といいますか、そういうものが図れるようになればよいのではないかなというふうに思います。  先ほど知事が言われましたように、県外に大学進学して県外に就職した若者、それが2~3か月で辞めてしまう。どうしようかと思ったときに、そのアプリが役に立つということは十分考えられますし、いろいろなところで都会はもういいよというような県内の出身者、あるいは県外の人から見て、やはり都会よりも田舎のほうがいいなと思っている人たちにとって、この「とりふる」というものが本当に強力な武器になればなというふうに私も思っております。  そうした取組、今、改修をするところなので、どういった改修になるかははっきり詳しくは存じ上げませんけれども、そういったことも視点に入れて、ぜひよりよいアプリになるように改修をしていただきたいなというふうに思います。知事に所見を伺いまして、質問を終わります。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜田一哉議員から重ねてのお話がございました。  「とりふる」のアプリの改修、それから高校生も含めた拡大等、活用方針につきましては、詳細は本部長の中原のほうから御報告を申し上げたいというふうに思います。  議員のほうからお話がありましたように、スマート漁業というのはかなり可能性があるのではないか。おっしゃるように、アプリなどを活用して海中の状況を知ったりして、それでかなりの確率で魚価が上がるようにする、こういうことは今できるようになりつつあります。
     さらに、ドローンも面白い活用が各県でもなされていて、さっきもちょっと申しましたが、カツオ漁をやっている高知だとかあちらのほうでは、空中でドローンを飛ばしまして、それで海鳥を見るわけですね。その海鳥が集まっているところに魚群があると、こういうようなことで活用している例があったり、本県でも、例えば魚礁の状況を空中から確認をするとか、そうした様々な用途で空中のドローンというのを活用しています。  さらに水中ドローンというのが最近はできてきていまして、水中をリモコンでドローンが動き回ることで、例えば栽培漁業の現場の管理を行うとか、それから藻場の状況を確認する。それも可能になっていきますし、こういうようなことを我々も試験研究の一環で取り入れながら、既に近畿大学などで入れているところもございまして、そうした新しい手法にも挑戦をしていければというふうに思います。  このようにして漁業者の皆様ができるだけ所得を向上できるように、我々としてもこうしたスマート漁業をてこにして推進してまいりたいと思います。  また、アプリにつきましてもお話がございましたように、「とりふる」がかなり大きな効果も上げ得るものでありまして、これを上手に活用すればいいと思いますし、「とりふる」に限らず、さっきお話がありましたように、ハローワークのほうに飛ばして、それで実際にそちらのほうにアクセスできるようにすることだけでも効果があるだろうと。ですから、ちょっとしたアプリの作り方で、アプリに全部閉じ込める必要もないわけでありまして、アプリを活用して他のシステムと関わったり、それからアプリで例えば知り合った仲間同士、アプリを活用することで、例えば行事をやって、それで知り合った仲間同士で、そこでZoomなどで今後展開をしてもらうということも可能かもしれません。  この夏の7、8月頃には若い鳥取県応援団という、鳥取出身の東京のほうの都庁の職員がリーダーをやっているところが、そうした県外で活動している人たちの交流の場をつくろうと、それをネット上でやろうということを今計画されておられます。こういうものと結びつけていくことによりまして、単なるアプリではなくて、もっと幅の広い活動につなげていけるのではないかと思います。様々な展開を今後図ってまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)中原交流人口拡大本部長 ◯交流人口拡大本部長(中原美由紀君)アプリ「とりふる」の利用拡大について補足の答弁をさせていただきます。  県内の高校生の「とりふる」登録については、県外へ出た学生へ継続的に就活情報やふるさと情報を提供しまして、鳥取県とつながることで将来の県内就職へと結びつけることが期待されておりまして、県としても力を入れて登録促進を進めてまいりました。  昨年度は学生に県産品をお送りして応援する「#よきよき鳥取」便によりまして登録者数の大幅増加につながったところです。今年度につきましては、さらなる登録促進のために県内就職おめでとうキャンペーンを計画しております。これは、県内就職した方から自身の就職体験談等を募集しまして、「とりふる」で情報発信をしていただきます。それを今後就活を始める後輩学生等へお知らせすることで、さらなる県内就職を促進し、「とりふる」自体の利用促進を図ってまいるものでございます。  なお、これまでも高校卒業時のみだけではなく、高校3年生を対象に年間を通してキャリア教育活動での周知や保護者への案内など、様々な場面で「とりふる」登録に向けたPRを行ってまいりました。今後さらに教育委員会とも連携しまして、高校在学中を通した情報発信などを行うとともに、様々な場面において「とりふる」の登録促進を図ってまいりたいと思います。  具体的には、これまでは卒業時に登録につきまして特別にポイント付加というようなこともやっておりましたが、高校在学中にそういったポイントを付与するなど、高校生の関心を深めまして、登録促進を図ってまいりたいと思います。 ◯議長(内田博長君)暫時休憩いたします。  午後の本会議は、1時10分より再開いたします。        午後0時04分休憩    ────────────────        午後1時10分再開 ◯副議長(広谷直樹君)再開いたします。  引き続き、一般質問並びに議案に対する質疑を行っていただきます。  24番浜崎晋一議員 ◯24番(浜崎晋一君)(登壇、拍手)皆さん、鳥取県議会自由民主党の浜崎晋一でございます。今定例会における一般質問のアンカーとなりました。よろしくお願いを申し上げます。  さて、新型コロナウイルスの影響でありますが、いまだとどまるところを知りません。ようやく先週、首都圏や近畿圏等、緊急事態宣言が解除はされましたが、この夏に向けては変異ウイルス、いわゆるデルタ株による第五波が懸念されております。変異株対策を含めた積極的疫学調査、早期検査、早期入院、早期治療の鳥取方式による継続した感染予防対策に全力を尽くすとともに、県民の暮らし、そして地域経済の立て直しに取り組んでいかなければなりません。  今日はそうした観点で、目の前のコロナ対策に万全を期すことはもちろんでありますが、コロナ後の社会を念頭に置きながら、長期的視点に立って政策の議論、また立案を進めていくように、平井知事と足羽教育長に質問をさせていただきたいというふうに思います。  先般、経済財政運営、そして改革の基本方針、いわゆる骨太の方針が閣議決定をされました。新型コロナ感染症の克服と経済の好循環を前提に、経済・財政一体改革を伴いながら、1、グリーン社会の実現、2、デジタル化の加速、3、活力ある地方創生、4、少子化の克服という4つの原動力によって強力に日本の未来を開こうとするものであります。  とりわけ地方創生に関しては、新型コロナ感染症をきっかけとした意識や価値観の変化を捉えて、地方移住や企業の地方移転の促進など、地方への人の流れを継続してつくっていこうとする理念が示されております。テレワーク、ワーケーションの推進、二地域居住、そして移住定住の受皿となるよう、本県としてもまずは関係人口の拡大に向けた取組を、国の後押しを受けて今まで以上に進めていかねばならないと感じたところであります。  まずは、ポストコロナに立ち向かう指針ともなる骨太の方針の方向性につきまして、知事はどのようにお感じになっておられるのか、率直な感想、認識をお伺いしたいと思います。  あわせて、コロナ収束後、新たな鳥取県をつくっていくことに向けて、コロナ以前と何が変わり、施策としてどういう分野に力を入れていこうとされるのか、知事の御所見を伺いたいと思います。  次に、共生社会の実現についてお尋ねをします。  今年5月、いわゆる障害者差別解消法が一部改正されましたが、全ての国民が障害のあるなしによって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて平成25年6月に制定されました。例えば、店に入るとき、車椅子を理由に断られたなどのような不当な差別的取扱いを禁じる規定が設けられております。  このたびの改正は、これまで努力規定となっておりました、事業者が障害のある方に対して社会的障壁を取り除くために必要な合理的配慮の提供、例えば段差がある箇所でスロープなどを使って補助をする、また、障害の特性に応じて座席を決めるといった、民間事業者による合理的配慮の提供が義務化されることとなりました。この義務化については、差別解消を前進させる極めて重要な改正であるとは思いますが、このたびの障害者差別解消法の改正の意義について、知事はどのように認識をしておられるのか、御所見をお伺いしたいと思います。  次に、アフターコロナにおける新たな時代の本県らしい地方創生を目指して、関係人口創出の観点で幾つかお尋ねをしたいと思います。  一昨年、令和元年6月議会での私の一般質問で、関係人口獲得、民間企業の多様で柔軟な働き方推進の観点で、ぜひワーケーションの受入れを進めてはどうかというお尋ねをさせていただきました。それを踏まえて、全国の多数の自治体で組織するワーケーション自治体協議会に加入されました。コロナ禍の中で、この協議会の存在意義もより強力に推進していく方向に風向きが変わってきているものと思いますが、現状と今後の取組について知事の御所見をお伺いしたいと思います。  次に、足羽教育長に、少人数学級の取組についてお伺いしたいと思います。  足羽教育長におかれましては、教員になって2年で甲子園出場、そして爽やか旋風の活躍、部員数15~16名ほどの田舎の公立初出場校が都会の大所帯の強豪校と渡り合った姿は誇らしく懐かしい思い出であります。  先日、我が会派を代表して松田議員代表質問にもありましたが、教育長からは、皆の思い、知恵、力を合わせたチームづくりをモットーに、子供たちが素直に謙虚に常に挑戦者という精神を持てる教育を目指したいとの御答弁がありました。多様化、複雑化する本県教育行政の諸課題に対して、今後の取組に期待をしたいと思う次第であります。  さて、さきの2月議会におきまして、退任された山本前教育長に質問をさせていただきましたが、本県が全国に先駆けて取り組んできた少人数学級は、学力向上や考える力、仲間を思いやる心を育み、子供たち一人一人に寄り添って目の行き届いた教育を行う上で、一定の成果は出てきていると思うところであります。  国においても、先般閣議決定されました骨太の方針の中で、小学校だけではなく、中学校においても少人数学級に取り組む方向性が打ち出されたところであります。  今後、将来に向けて鳥取県らしい思いやりのある共生社会の実現を目指して、未来を担う人づくりの観点で、この少人数学級も一段高いステージに上げていくことが必要であると思います。ICT教育の導入、また、いじめ、不登校対策への対応、少子化に伴う教員の適正配置などの課題に当たって、学級編制において何を重視すべきか、新たに就任された足羽教育長におかれましては、本県における少人数学級に対してどのような認識をお持ちで、今後どのように展開されるのか、御所見を伺いまして壇上での質問を終わります。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議の一般質問にお答えを申し上げたいと思います。  私のほうには、新たな時代を目指して骨太の方針に対する感想、また今後、新型コロナ後、どのように世の中を変えていけるのか、そうした認識等につきましてお話があり、また、関連をして障害者の皆様に対する合理的配慮の意義についての認識、さらにはワーケーションの現状や課題につきましてお話がございました。  やはり今、私たちは新型コロナの中にあること、これは大きな影響があったと思います。午前中も申し上げましたが、今、4つの検体のうち2検体は検査が終わりまして、いわゆるデルタ株ではないということが分かりました。ただ、いわゆるアルファ株などのN501Y変異は認められるところでありました。また、残り2検体は今これから検査をするところであり、そのほか午前中から関連の方々に今検査を進めております。今回見つかったのは単一の筋ではありませんで、複数の筋が同時に入ってきています。ですから、ある意味、第五波のゴングが鳴ったのかなというふうにも感じたところであり、今後の動向というものはぜひ注視しなければいけませんし、県民の皆様にも御協力をぜひ賜りまして、まずはこの初動のところを早期に止めていく、それを全力でやりたいと思います。  ただ、この新型コロナが襲来することで、逆に見えてきたものがあると思います。それは、ふるさとの豊かさ、生きることの本当の意味、こういうものを私たちに教えてくれたのではないかなというふうに思います。過疎から脱却をしていく、そういうことを長く我々は希求をしてきました。しかし、そのことについて価値観の裏づけがなかったと思います。新型コロナが襲来したことによりまして、健康的に生きれることが一番大切なのだ、そして豊かな人々の絆の中で適切な距離感も保ちながら生きていけるということは、これは至上の喜びではないかと、こういうことであります。その間は地震だとか、あるいはこうした疫病だとか、いろんな災禍があったとしても、それを乗り越えていく力が実は地方の中に存在するのではないかなと思います。  そういう意味で、このたび御逝去されました生田秀正先生のお悔やみを心から申し上げたいと思います。鳥取県西部地震の震源近く、黒坂に住まいをされておられ、日野町がこのままではなくなってしまうのではないか、そういう危機感の中で立ち上がられて、そして住宅の復興、そして県議会での議席を得られての御活躍がありました。心からお悔やみ申し上げ、御冥福をお祈り申し上げたいと思います。そういう先生の御霊に応えるためにも、私たちは決意新たに、議員がおっしゃるような新型コロナ後の社会を目指していかなければなりません。  そういう意味で、京都大学の広井良典先生の提言ないし分析というのは非常に興味深いものがあります。新型コロナの第一波がやってきて、いろいろと大騒ぎが始まった頃のことでありますが、その広井先生は一極集中型ないし日本は少極集中型ではないかと、これがコロナに対して弱い、そういう意味で分散型の国家の在り方というものを我々は求めなければいけないということを唱道されました。  最近もそうした主張に引き続きまして、AIの分析なども加えながら、そうした今後の方向性というものを見極めようとしているのですが、都市集中型ではない、地方への分散型というものを必要とするのではないだろうか。AIで分析した結果によれば、令和6年までは人口集中を排除して、それで改善を図っていくと、そういうようなシナリオが優位であると。さらにその後の令和10年までのスパンでいえば、都市・地方共存型のシステム、そういうシナリオを目指すべきというように分析をされています。これはAIでの今後の経済社会の動向というものを幾つかのシナリオを分析しながら、優位なシナリオというものを導かれた結果でありますが、これはひょっとして当たっているのではないかなというふうに思えるところがあります。  今の価値観の変動を見ていきますと、東京のほうでは昨年度5月に久方ぶりの社会減、転出転入でいきますと転出が増えるということになりました。その後、7月から2月に至るまで、連続をして同様の状況がございました。また、鳥取県におきましても状況は一致をしているわけでありまして、昨シーズンでは年間で894人減少ということでありますが、久方ぶりに1,000人を切ったわけですね。  確かに今、人の動きが変わりつつあると、それを裏打ちするかのように若い方々の意識の中に地方移住ということを真剣に考える人たちが増えてきているということであります。移住に至らずとも、自らについてその立場を変えていくやり方というのは、議員がおっしゃったワーケーションとか、あるいは副業とか、そうしたことで単一的な都会暮らしから開放されるということがあります。別に転職せずとも変わっていける、そういうライフスタイルを今社会が容認し始めているところであります。  今般の骨太の方針、議員がおっしゃるように、地方創生ということを一つうたっていますし、子育てということを言っています。これらは鳥取のようなところに優位性があるはずであります。また、骨太の方針で産業の方向性としてグリーン化、脱炭素社会ということを上げられ、さらにはデジタル化、ICT等の活用による新技術による産業主導ということを唱えられます。これらにおいても決して本県は後遅れしているわけではない、要素技術が生きることがあるわけですね。  デジタル化につきましても、県と市町村で協働をしながら、教員の働き方改革に資するシステムをつくったことは全国の注目を集めたところでもございますし、また、例えば要介護度を判定していく認知症の判定など、こういうものをICTと重ね合わせて、浦上先生等のそうした知見を入れて開発している、そういう会社などもあったりします。新しいライフスタイルや産業へそうした提案もできるところであり、本県でもCIO補佐官を任命させていただきまして、鳥取県なりの成長戦略を追っかけてみようと始めたところであります。  また、脱炭素社会、グリーン化につきましても同様でございます。例えば、FDKさんは乾電池などをもともと製造しているところであります。このたびeCALLという、そういう新商品を世に出されるわけでございます。これは電気自動車等の緊急通報システムをやるものでありますが、結局その乾電池などは弱いように見えますけれども、単独で存在するもので、むしろその電源が切れても生きるわけですよね。いろいろとそうした面での需要創造というのができていまして、FDKさんはそういう新商品もございますけれども、今、需要に乗って業況拡大ということになってきています。  また、用瀬にありますダイヘンさんにおかれましては、こちらのほうでもEVとか、それからPHCV、そういうものに即した給電だとか受電だとか、そういうシステム、こういうものを開発されまして、やはり新しい商品を世の中に出すということになりました。  こういうようなことが枚挙にいとまがないわけでありまして、これまで家電を造っていた、そういうような技術がグリーン社会、あるいはICTによるデジタル革命の中でも生かされ得るわけでありまして、このような意味で骨太の方針の目指す方向性というのは本県としても賛同できるものだと思います。いろいろと関係者等に御協力を申し上げながら進めていかなければなりません。そういう中、広井先生が目指しておられるような、そういう地方と都市との共存社会、こういうシナリオを追いかける意味でワーケーションというのも重要なものだろうと思います。  これはおととし、浜崎議員のほうから御提唱もございまして、ワーケーションの推進協議会に本県も加入をさせていただきました。その後、県内でも12の市町村が参加をするに至っております。かなり多い形で入ってきておりまして、その中には、例えば麒麟のまちでワーケーションを進めようという鳥取市さんの試みであるとか、また、議場でも紹介がありましたが、琴浦町さんでは一向平でワーケーションのプログラム、こういうことを始められたりしておられます。本県としても、日本能率協会マネジメントセンターと協働しまして、そういう教育研修型のワーケーションを中心としたプログラムを作っていこうとしていたり、先般はWork Design Labを通しまして、石川代表にも調印をしていただき、それで今、倉吉のスイコーさんという会社を拠点にした取組など、今その先端を開こうとしているところでございます。  このような具体例が出てきているところに観光の、要は失地回復の願いを込めてこういう方面に参画される動きも出てきました。例えば、鳥取市内の丸茂旅館さんも 「HafH(ハフ)」と言われます長期滞在型の有名なサイトといいますか、そういう旅行会社といいますか、そういうところと提携をされまして、その受入れの一翼を担われると。これは東光園さんなどもそうなのですけれども、そういうことを始められるということになったり、いろいろとこのワーケーションから拡大をしながら、例えば観光や宿泊業界、それからビジネスに結びついてビジネスの効率性を上げる、そういうところに進んでいこうとしています。  副業もこれとよく似たものでありまして、このたび鳥取県ではシーズンを分けてこの副業の募集をしているということであります。こういう中で、このたびも数多くの方の応募があったところでございまして、もう2年前、3年前とは大分空気が変わってきていますし、鳥取県のそういうイベントにもネットから多くの方々が参加されるようになってきています。  このようにして住まうところと働くところが分離していることも含めた、こういう新しいふるさとづくりが始まってきております。そこに重要なのは、やはり人の絆ということだと思います。その意味で、議員が御提唱されました障害者差別解消法の取組というのは、我々にとりましても重要な中身をつくる要素になるのではないかと思います。  鳥取県はコミュニティーがまだ生きておりまして、人々が助け合って暮らすということがいや応なく日常生活の中にございます。鳥取県があいサポート運動を平成21年11月に始めました。これは障害者権利条約を体現しようということで始めたわけでありますが、これが障害者差別解消法を先取りすることになったわけであります。合理的配慮を実践するのがあいサポート運動でありまして、独自のテキストを作ったりしてやってまいりました。それがこの通常国会で法律改正がございまして、一般の中小企業も含めまして、こうした合理的配慮が義務化されるということになりました。これは大変なことではあるのですけれども、あいサポート運動が目指したように、ちょっとした心遣い、ちょっとした工夫で実は達成できる目標でもあると考えております。このコツが実はあいサポート運動の中に私はあるのではないかと思っております。  そういう意味で、幾つかテキストの中に書いてあることがあるわけでございますけれども、例えば聴覚障害の方がお店にやってくると、そういうときに無理して手話を使わなくても、例えば筆談だとかそうしたことでも十分できるし、問題は心の問題で、相手の心に自分の気持ちを届けよう、メッセージを出そうというようなことなわけであります。それから、例えば視覚障害の方がいらっしゃる、それでポイントカードというのをお店でもらったと。そのときに見れませんから、そのポイントカードを渡すだけではなくて、ポイントカードの説明書も渡せばいいというものでもなくて、ポイントカードのこんな仕組みですよということを読んで聞かせる、こういうことをやるべきだと、こんなことが実はあいサポート運動のテキストの中に書いてあるわけですね。これがまさに合理的配慮ということであります。そのような意味で、鳥取県としては一つ先進的にやってきたことが今生きようとしています。  そういう意味で、あいサポート企業というのがございます。企業丸ごとであいサポート運動をやりましょうというところで、今では全国で2,200社の団体がこのあいサポート企業、あいサポート団体になっていただいています。こういうようなところで、実は合理的配慮が実践されているわけであります。  そのような意味で、議員が御指摘されましたように、いろいろとそれでもハードルがあるものですから、例えば補助制度ももっと積極的に活用していただくようにこの際、働きかけようと、さらに予算のほうも増額を今議会にお願いを申し上げました。  また、こういうあいサポート運動を加速させることで、それで合理的配慮というものが達成されてくるということを考えまして、あいサポート運動加速化フォーラムをこの秋にでも実施させていただきたいと思います。ここに企業の方々にも参加していただいて、もうその場であいサポート企業に認定するということもあると思いますし、あいサポーターとして登録していただくということもありましょう。また、あいサポート運動の意義というのも知っていただけるいいチャンスになるのではないか。まだこれから実際に法律の施行までに時間がありますので、その間、しっかりとこうしたあいサポート運動を加速化させていくことなど、キャッチアップを図ってまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)浜崎議員の一般質問にお答え申し上げます。  私のほうには、少人数学級につきまして、どのような認識を持ち、そして今後どのように展開していこうとしているのかというお尋ねがございました。  御承知のとおり、市町村と連携を図りながら、平成24年度から国に先行する形で本県では少人数学級を進めてまいりました。議員御指摘いただきましたように、子供たちの学習意欲や生活習慣、また人間関係づくりといったような点で一定の成果が出ているものというふうに思っております。  この少人数学級という学級編制に関しましては、増加の一途を今たどっております不登校の課題でありますとか、あるいは特別支援教育の推進、そういう意味で一人一人に寄り添ったきめ細かな指導体制を構築していくことが必要である一方、ある一定の学級基準の中で子供たちが互いに切磋琢磨して競い合う、互いに刺激し合う、そういうふうな環境をつくることも必要であり、多角的に、あるいは多面的な視点で、どういう編制であるのが望ましいのかを考えていくことが必要であるというふうに思っております。  結論を申し上げますと、2月の県議会でも山本前教育長も答弁をされましたけれども、国に先行して先進的に取り組んできたこの少人数学級であります。その成果と課題をしっかり踏まえつつ、今年度に入りましてからも、全市町村の教育長さんとの意見交換を既に1回目は終えております。そうした市町村の意見も踏まえて、国に先行する形での一歩進んだ少人数学級が構築できればというふうに思っているところでございます。  ただ、考え方として大事なことは、少人数学級という一つの編制基準、これは一つのツール、この4月からスタートしましたGIGAスクール構想での1人1台端末、これも一つのツールであって、その環境が整えば全て子供たちの学びが、あるいは人間関係づくりがよくなるというものでもないというふうに私は思っております。誰がどのようにその環境を生かして子供たちに関わっていくのか、指導していくのか。先ほど、人の絆ということを知事は答弁をされましたが、私自身も人と人との関わりの中で人は育つ、こういう信念の下に教育行政を進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。その人とは、言うまでもなく子供たちに直接関わる教員であり、そしてまた保護者、地域の方々、そうした人と人とがしっかり子供たちに寄り添い関わっていく中で、本当の意味での子育て、そして人材育成が図られるというふうに思っているところでございます。その意味でのコミュニティ・スクールであり、そしてふるさとキャリア教育であると思います。ぜひそうしたことを踏まえた鳥取県らしい少人数学級が構築できるよう、しっかり検討を重ねてまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)知事、教育長からそれぞれ御答弁をいただきました。順次追及に入りたいと思います。教育長のほうは、ちょっと後でまたまとめて申し上げたいと思います。まず、知事のほうの追及から順次させていただきたいと思います。  先ほど、知事のほうから、やはりこのコロナで改めて見詰め直すことというコンセプトといいますか考え方をお聞きしておって、なるほどなと、改めてふるさとの豊かさであったり生きることの意義であったり、そういった部分で私も十分おっしゃるとおりだなというふうに思っておりました。  また、今、教育長もおっしゃいましたけれども、やはり知事もおっしゃった人の絆という部分であります。その辺は差別解消法ということにもつながってくるわけですが、地方と都市という部分がやはり共存社会になっていくのだというようなことがありましたし、また、あいサポートという理念からすれば、合理的配慮というものが当然入ってくるというお話も聞かせていただきました。やはり社会全体の考え方や価値観というのは、知事もおっしゃいましたが、このコロナのことによって変わってきつつあるということも、ポストコロナというタイミングでもそうでありますし、そうなるとやはり地方が主役となる、そういった時代へと変化する追い風が吹き出してくるような状況になるのではないかというふうに思っているところであります。私だけではないと思います。  この変化の流れを捉えて、これから任期後半に向けて、コロナとの闘いと並行した県政運営というのが当然あるわけですが、それと同時に、やはり今申し上げた新たな時代のニーズの受皿に地方がなっていく、そういった取組も必要であろうというふうに思います。  その一方で、まず足元の当面の財政課題について具体的に追及質問させていただきたいと思いますが、依然としてコロナ禍からの脱却に悪戦苦闘を強いられている今年度についてでありますが、先般の全国知事会でも、地方創生臨時交付金の必要額の不足等について議論されているともお聞きをしております。この夏に向けては、今叫ばれております第五波への対応だけではなくて、従来のプロパー的な災害対策であったり福祉・社会の保障、コロナ以外の財政需要への対応も当然必要なことであります。それはもう知事は言うに及ばず分かっていらっしゃる話だとは思いますが、その辺で税収の見込みなどを踏まえた今年度の財源確保の見通しについて、知事の所見を伺いたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議から重ねてのお尋ねがございました。  新型コロナで、我々の闘いはまだ続くわけでありますが、その間、どういうふうにこの財源を確保していくのかということであります。  今ちょうど骨太の方針もございまして、その中で注目されるのは、地方財政一般につきましては地方一般財源を令和3年度レベルで向こう3年間保障していこうということです。これは我々にとりましては大変に大きなことだと思います。非常に厳しい財政事情はある中ではありますが、ある程度歯止めがかかるということは見えたかなと思います。こういうことをさらに一層確保していくために、財政基盤確立のための知事の協議会を今持っていまして、これでこの夏にもやはり要請活動をする必要があるだろうと。基本としては地方交付税の中の地域再生に向けた支援の額をしっかり積み上げていただいたり、また、起債運営につきましても、税収が欠けた場合のその穴埋めの起債とか、そうしたことなどを政府のほうに呼びかけていこうと。  実は昨年も11月に武田総務大臣にこのメンバーでお願いをさせていただき、最終的には交付税の中でもしっかりと反映されました。これが我々としても何とか踏みとどまることができたところだと思います。現実にも税収で、これは譲与税も含めまして大体77億円減収しています。これは致し方ないところでもあります。コロナ禍で法人関係税収が伸びない、それから譲与税も特会分の法人関係税に影響されるところがございます。そういう意味で、かなり大きな減額になりました。しかし、その77億円ぐらいをこうした交付税の増額等で補ってきているというような状況にもなっています。何とかとんとんまで持ってきているということでありますが、問題はここからまだ需要が膨らんでくるだろうということですね。  例を挙げれば、今、国のほうの大転換で困惑をしている現場が多いのですが、モデルナによる予防接種を大量にやっていこうと。本県の中で8万人以上の人たちに接種できる枠をみんなで手分けして40以上のサイトで受けていこうと、こういうことをもくろんだのですが、今14まで認証が下りました。残りはまだ下りていない。それで、昨日、議会でも申し上げましたけれども、フォローアップ事業を今やっていまして、各予防接種事業者のほうの状況を照会させていただきました。やはり厚労省から相次いで電話があったようでありまして、ただ、先延ばしすると、ワクチンの配布が遅れる見込みであるので、ちょっとそこのワクチン配布を待ってもらいたいという趣旨の電話であったようでありまして、一番恐れていた、あなたのところは認められませんという、そういう内容ではなかったようであります。ですから、今、急遽スケジュールを組み直すことになっても、鳥取県としてバックアップをして、会場の確保や人員の確保が各予防接種事業者で図られるようにしようということであります。  かなりもくろみとしては多くなりましたので、多分予算はまだ実際どこまで認証が下りるか分かりませんので、今5,000万円の予算を議会のほうに要求させていただいておりますが、仮に多く接種できるということになれば、それは調整費を活用しながら、年度中途でも執行させていただいて、やはりワクチン接種を優先させることで集団免疫をできるだけ早く獲得をし、感染の波を抑えている間に逃げ切り勝ちを狙うというのが本県の戦略でありまして、そういうことに執行させていただこうと。こういうのを、例えばそうした調整費の繰替え運用などで何とかしのいでいくということがあろうかと思います。そのほかも、今後ひょっとしたら補正予算があるかもしれない、そういう空気感に今なってきていると思うのですね。そういうことなども機動的に対応し、財源をまた取り込んでいくなどして、新しい事業者支援等にも向けていけないだろうか、このようなことを今後まだ展開をしていきたいと思います。財源的には、今とんとん、パーパーのところで何とか持ちこたえておりますけれども、大きな穴が空かないように、これからも戦略的に対応してまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)知事に答弁をいただきました。おっしゃるとおりだろうなというふうに思います。相当な減収だということでありましたが、知事はそこのところはそれはそれとしてということで、交付税の増額があって、またいろいろやりくりをということでありました。そういうことで前に進んでいくというのが今の現状だろうなというふうに思いました。  昨年度は、国への要望の結果、いわゆる地方消費税などの税収減に対する減収補填債ですね、こちらのほうの適用範囲の拡大という成果があったということですけれども、残念ながら昨年度限りということで、本年度からはこれは入っていない。来年度に向けて、先日の議員全員協議会でも知事のほうから説明いただきました。国に対する提案、また要望事項についてということでありました。先ほど説明の中にもありましたこの交付税、一般財源総額の確保等、来年度の本県の財政運営に当たってはしっかり働きかけをお願いしたい。知事もそういう思いで今答弁されたというふうに思っております。  また、一方で、今年度も、昨年度にも増して国に対しての要望活動というのは当然議会も一緒になって取り組んでいかなければならないというふうに思っております。  それでは、次の質問に行きます。障害者差別解消法ですけれども、これまで本県においては、障がい者が暮らしやすい社会づくり事業補助金の創設がありました。それから、障がい者差別解消相談支援センターの設置など、随時対応はしてこられて、タイムリーに取り組んでこられたというふうには認識をしております。  このたびの改正法が公布をされて、この6月から3年以内には施行されるということなので、時間的にはちょっと余裕があるという状況ではありますけれども、ただ、知事、県内の事業者というのはやはり中小事業者が多いと思います。そうすると、このたび義務化されております合理的配慮の提供も無理のない範囲でということではされておるのですが、対応には一定の費用というものも必要だと思います。そうなると、多少の混乱は生じかねないのではないかなというふうに感じております。法の施行に向けて、県はどのような課題があると認識をされておるのか、また、どのように乗り越えていこうとされているのか、知事の御所見を伺いたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)障害者差別解消法の施行に向けてのお尋ねを重ねていただきました。  これについては合理的配慮を企業さんのほうでもやっていただくということになります。議員のほうの御指摘もございまして、あいサポート運動をあいサポート条例のほうに昇格をさせていく、こういうことも議会でやっていただきました。そういう中で、合理的配慮についての助成制度もつくったりしてきました。  また、あわせて相談窓口をつくらせていただきました。この相談のほうにはいろんな声が寄せられてきたところでありました。例えば、バスに乗ろうとした車椅子の方がいらっしゃったと、しかしバスに乗ろうとしたのですが、運転手さんのほうから、そういう重い車椅子はちょっと乗せられませんというふうに断られたということでありました。これは実は思い違いでございまして、本当はできるわけですね。そういう声が寄せられたので、事業者のほうで善処してもらうということになり、実際研修をして、そうした方々が安心して車椅子のまま交通機関を利用できるようになる。この研修等も、交通事業者全般までこうしたお問合せから広がってきています。  事ほどさようでありまして、第一の障害は心の問題、認識の問題だと思います。合理的配慮ということの前提として、障害の特性を知り、その障害者と接するそういう心構え、こういうものをきちんとやっていくことであります。この面であいサポート運動というのは役に立つと思いますし、こういういろいろな支障事例、こういうものも横展開をしていきながら、社会の中にまだ残されている偏見差別、あるいはそういう差別意識はなくとも、取扱いにおいて合理性を欠くもの、これを解消していくことがまず第一でありまして、こういう心の問題が一つ大きな課題であります。  あともう一つは、実際にお金をある程度かけなければいけないところがあるわけです。例えば、お店に入るにしても段差があるというような場合、携帯用の簡便なスロープなどもあるわけですね。そういうものをお店に備えておけば、そういうときにはこれを使って入ってくださいというふうにお手伝いができるはずであります。あるいは、先ほどの筆談であれば、よくそういうお店もありますが、筆談ボードというものを買いそろえて置いておけばいい。あまり大きなお金がかからなくても、それだけで合理的配慮が一気に進むということがあります。  したがいまして、合理的配慮について30万円の補助金をつくっておりますが、これの増額を本議会に提案させていただきますのと併せまして、いろいろと現場の声を聞いて、運用面でも使いやすいように、今後柔軟な適用を図ってまいりたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)知事から御答弁いただきました。  今の御説明で、この合理的配慮の適用で、どのような課題と認識があるかということでお聞きしたのですが、もう一つ、実は質問をそのときに言うのを積み残しておりましたけれども、それについて申し上げますと、今おっしゃったあいサポート運動向上事業という部分の活用がなかなか今までできていなかったというようなことで、そういうことも踏まえて、今、知事のほうからまた改めてお話があったのだというふうに認識をしております。
     それで、先ほど1回目の答弁であいサポート運動加速化フォーラムという話もありましたし、やはりこの機会にしっかりと制度の周知を図ることはもちろん、改めて鳥取県らしい思いやりのある心を持った支え合いの共生社会の実現を目指して、いま一度原点に立ち返ってあいサポート運動の推進を図るべきだというふうに思っております。アフターコロナの新しい時代に向けた今後の展開という部分も知事の御所見を聞かせていただきたいと思いますし、それから、今全体であいサポート運動の推進ということの流れがあるわけですが、県民一人一人がやはり生き生きと暮らす共生社会の実現に向けて、引き続き取り組んでいっていただきたいというふうに思います。その話をさせていただいて、次の新たな追及も付け加えて言わせていただきますので、御理解いただきたいと思います。  ワーケーションについてでありますが、冒頭に申し上げた骨太の方針においても、地方創生の柱として地方でテレワークの受皿づくりを進めていこうとする国策は、まさに追い風であろうというふうに思っております。継続して地方への人の流れ、こういう潮流をつかんでいくようにしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。  また、一方では、一定期間、鳥取に生活拠点を置くテレワークやワーケーションの一歩手前の段階で観光誘客の在り方、ここをやはりお尋ねしたいなというふうに思っております。  県では全日空からの出向ということで、観光誘客ディレクターを採用されました。今議会では、全日空の公式動画チャンネルを活用した情報発信、同社の現役客室乗務員をとっとり翼の大使に任命して本県のPRを行うとっとり翼の大使の事業が提案されておりますが、実際に県外から観光客を招き入れるのはコロナ収束後であります。今はコロナ後の観光戦略を練り直す時期だというふうに思っておりますが、改めて本県の価値であるとか魅力を掘り起こす、磨き上げるに当たって、この観光誘客ディレクターやとっとり翼の大使、いわゆる外部人材であったり関係人口の視点、すなわち既存の概念にはとらわれずに、柔軟で斬新な着眼と発想にやはり期待を寄せたいと思っております。  知事は、このとっとり翼の大使事業に関して、またアフターコロナを見据えた観光戦略ということも含めまして、どのような思いを持って取り組んでいかれるのか、御所見を伺いたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)重ねて浜崎県議からお尋ねをいただきました。  まず、障害者差別解消法の件につきましては、議員のほうからも度々この議場で取り上げられ、それで、そういうことも一つのきっかけになってあいサポート条例の制定なども進めてまいりました。その中にも差別の解消ということを条例上も盛り込んだところであり、合理的配慮というものを求める内容になっておりました。  ただ、やはり社会というのは一歩一歩進んでいくものでありまして、一気に変わるわけではございません。そういう意味で、議員がおっしゃる草の根のあいサポート運動というのは重要な意味があるのではないかと思います。  全国では既に56万人がこのあいサポーターになってくださっていますし、県内でも7万8,000人があいサポーターになっていただいています。企業が特にこれからのポイントになってくると思います。恐らく合理的配慮をやっていこうというときに、分かりやすいプロセスとしてあいサポート運動という通り道があるのではないかと思いますし、これをぜひ県としても大いに支援をしていきまして、あいサポート運動の拡大の第2期のような、そういうこれからの時期にしていければよいのではないかと思います。  今まで個人を中心に考えてきましたけれども、企業だとかお店だとか、そうしたところであいサポーターの輪が広がっていく、これによって真の障害者に対する理解と共生社会の実現につながっていければというふうに念願するものであります。  次に、観光につきましてお尋ねがございました。  議員のほうからお話がございましたように、私どものところには全日本空輸株式会社から出向してきていただいております木村みゆきさんがおられます。もともと、いわゆるグラウンドの方々ですね、地上係員、そちらの系統の方であります。ただ、中華人民共和国でもそうした地上係員の取りまとめをされたりしていまして、向こうで中国大使をされていた方からもお話が来たり、いろいろとやはり人脈のある方でいらっしゃいます。非常に全日空の中でステータスが高い、女性のシンボルのような方でありまして、私も驚くのですけれども、実はある程度ないしょにしていたのですが、私は羽田空港などでそういうCAさんだとか地上の係員の方々に接します。特に地上の方々などは、木村さんをよろしくというような話をみんな言っていくのですね。物すごい影響力だなと思って当時びっくりしたのですが、ですからいろんな仕事が実はできるだろうというふうに我々は思いまして、観光誘客ディレクターという職名をあえて与えて、課長級として活躍の場を持たせていただきました。  それで、先般も申し上げましたけれども、縦割りを打破していろんなジャンルに今飛び込んでいっていただいていますが、議員がおっしゃる観光の分野でいいますと、今回、翼の大使というプログラムを提案させていただいております。これはCAの方が情報発信をしていただくと、動画撮影もする、そうしたことを考えております。  今、これにまた新しい移住絡みの事業を我々は模索中でございます。先週ですか、先々週か、片野坂社長さんから電話がかかってきまして、この件について全日空さんのトップとも話し合ったわけでありますが、全日空さんは非常に期待しているわけですね。やはり社員の皆様が生きがいを持って、働きがいを持ってやっていただくのは非常に難しい時期でありますので、そういう意味で、鳥取で視点を変えた住まい方、暮らし方、また仕事の仕方というものを体験していただく、このことに大いに期待をされていますし、ぜひ地域で役立つようなことをしていただきたいというお話もございました。その意味で、この翼の大使と我々も重ね合わせて事業展開できるかもしれないと思っています。そうやって実際に移住される方に、時折、そういう翼の大使事業のほうに参加していただきまして、こちらで実際に暮らしてみたらこんないいところだよというような生き生きとしたメッセージを出していただくということもあるかなと思います。  また、観光誘客の一つの決め手は、やはりおもてなしだと思います。そのおもてなしでは、やはりそうした航空会社は超一流の研修を経て人材を育てておられますし、実はトップリーダーとして、むしろ人に教えるような立場に木村さんがおられたものですから、そういう観光関係などなどの研修もできるのではないだろうか。たしか今日も、そういう意味で企業のワークショップにリーダーとして指導者で行っていただいております。このような形で実に様々な活躍をしていただいているわけでありまして、こういう新型コロナであったからこそできるような観光誘客事業であったり、移住定住策、こういうところに結びついているのではないかと考えております。 ◯副議長(広谷直樹君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)知事、ありがとうございました。  全日空の社長も期待しておられるその社員さんに対して、それは併せて鳥取県に対する期待だというふうに思うわけですが、社員側から見ても、改めて生きがい、働きがいというものを、今、木村さんが、またいろいろと活躍をしておられると、大変すばらしいことだなというふうに思いました。  そういった意味で、都会から見ればテレワーク、ワーケーションの受皿という部分で、本県のような自然と隣り合わせの生活という部分が、逆にその方も改めてやはり魅力を感じておられるのではないかなと思うのですが、逆に我々地元民からすると、当たり前の中にある価値を外からの視点によって掘り起こしていただく。今、知事からいろいろお話があったことというのは、まさにある意味合いで見ると、そういうことだと思うのですよ。ですから、その外側から入ってこられた方に、しっかりと外側の視点によって掘り起こしていただく。何よりも、今、知事からお話があった、全国各地の地方のよさというものは、全日空さんはよく御存じでありますから、全日空本社と社長も期待しておられるという話でありましたが、その方もまたいろんな状況によっていろんな情報も入れてこられるというふうに思いますので、その辺を今後もぜひ期待したいと思うし、知事の狙いと先見の明もあったのかなというふうに思っております。  次に、教育でありますが、足羽教育長には少人数学級について、一方ならぬ熱い思いを述べていただきました。やはり誰がどのようにその環境を生かして関わっていくのか、絆、人と人との関わり、まさにそのとおりだと思います。私がこれから質問をさせていただきますが、同じような考え方でありますので、聞いておいていただきたいと思います。  デジタル化の推進と併せて、AIやICT、未来を担う子供たちにとって生きる上で身につけるべき必要な能力だと思います。やはり教育は人だというふうに私も思っております。少人数学級においても、少なければ少ないほどいいというようなものではないと思うのですね。それはあくまで方法論だと思います、手段だと。本質は、一人一人の子供たちの成長過程において、例えば道徳教育があったり、ふるさと教育があったり、そういうものを通じて自己肯定感であったり、地域への愛着であったり、人を思いやる気持ちだと。そういう部分がそれぞれの子供さんの人間性に根づくような、そういった心の教育が大事ではないかというふうに思っております。  そして、教育の根本は、人を育てる人を育てる、この視点というのは多分教育長も同じ思いだと思いますが、教員一人一人の教育にかける思いや信念をいかに育んでいくのか、これが重要だというふうに思っております。教育長は、この教員の人材育成という観点でどのような思いを持って取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いしたいと思います。 ◯副議長(広谷直樹君)答弁を求めます。  足羽教育長 ◯教育委員会教育長(足羽英樹君)浜崎議員から重ねてお尋ねがございました。教員の人材育成という観点でお尋ねがありました。  〔副議長退席、議長着席〕  議員がおっしゃいますとおり、私も教育は人なりという言葉は全く同感でございます。子供たちがそれぞれの夢、希望を持って、それぞれの生き方をしていく上で、まず教員がその仕事にやりがい、あるいは誇りを持って、高い志で絶えず学び続けていくことは非常に重要なことであると思っております。  本県では、1年目、5年目、10年目、あるいは11年目以降というふうにキャリアステージに沿いまして、その自分の立ち位置を確認すべく、また今後求められる資質、能力とは何ぞやということを示した指標を作成し、各種研修の中で絶えずその指標を確認しながら研修を進めているところでございます。  また、昨今の大量退職に伴いまして、今、大量採用の時代が来ております。若手の教職員がどんどん増えてくる中では、やはり教育センターでの研修だけでなく、本県独自といいますか、工夫した取組としましては、各学校の中でそういう育成グループをつくった取組で、1対1対応ではなく、多くの経験者、ベテランの先生方が1人の若手に関わって指導していく、そんな体制もつくっているところでございます。  言うまでもなく、子供たちに与える教員の影響力というのは、よくも悪くも本当に大きなものがあると思っております。子供たちが出会った先生に憧れ、出会った先生の生き方に導かれて、そして自分らしい生き方をつくり上げていく、そのような道先案内人となるような教員であってほしいなというふうに思っているところでございます。  私自身も初任者、あるいは16年目、様々な研修に立ち、先生方に伝えてきたことは、教員というのは正しいことを伝えることだけが仕事ではないと、何を言うかではなく、どのように言うか、何をするかではなく、どのようにするか、つまり子供たちの心をいかに震わせ、響かせ、そして子供たち自身が考えるような仕掛けとなる、やはりそんな言葉を大事にすべきだということを伝えてきたところでございます。ぜひそうした研修の中で、先生が自分の言葉をしっかり持って、それをしっかり子供たちに伝えていく、そんな教員育成に取り組んでまいれたらというふうに思っているところでございます。 ◯議長(内田博長君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)教育長、ありがとうございました。道先案内人としての教員というお話がございましたけれども、そのどのようにという部分、ぜひともしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。  さて、追及を続けます。  これまで我が県の地方創生を知事と共に担ってきたのが副知事であります。今期をもって退任される予定のこと、大変残念であります。  副知事におかれましては、これまで総務部長、統轄監、要職を歴任され、平井県政で当然中枢を担ってこられました。財政や教育、福祉にも明るく、将来を見据えた諸課題に対して、県民との対話を含めて内外の調整役を担ってこられたことに改めて敬意と感謝を表したいと、ここにおられる議員の皆さんがそう感じておられると思います。本当に御苦労さまでありました。  これまでの功績を踏まえて、副知事の退任に寄せる思いを、まず平井知事にお伺いしたいと思います。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議から、野川副知事につきましてお話をいただきました。  野川のこととはいえ、身に余るお言葉をいただいたこと、大変に感謝を申し上げたいと思いますし、私からも議会の皆様、県民の皆様に御礼を申し上げたいと思います。  私もずっとお付き合いをさせていただいておりますが、非常に幅の広い、調整のできる人でありました。広報課長をされていたからかもしれません。なかなか県庁職員でそういう資質を持っている人は少ないと思うのですが、いろんなつながりの方々とパイプがあるわけですね。徳必ず隣ありという言葉がありますけれども、そういう徳のある人だったのかなというふうにも思っております。  また、非常に難しい仕事に次々と挑戦をしていただきました。それをお願いする私も心苦しいわけではありますけれども、それをこなしていく野川さんにいつも舌を巻くような思いがしたところでございます。  私がしゃべるよりも野川さんの出番を皆さん待っていると思いますので、私は野川さんに後は譲って、答弁の最後の締めをさせていただきたいと思いますけれども、そういう意味で、また野川さんの今後の活躍をお祈り申し上げたいと思います。 ◯議長(内田博長君)野川副知事 ◯副知事(野川聡君)知事には過分なお褒めの言葉をいただきまして大変恐縮をいたしております。  県庁で働かせいただいて40年、議員でいいますと10期務めたことになります。福間会長より斉木会長より長うなりました。大変なベテランでございます。議場に入らせていただいてからも14年になります。そして今議会が最後の出席ということになりました。ありがとうございました。  40年を陸上の400メートルに例えれば、スタートのときの気負いから100メートルまでは、高ぶりがあったでしょうか、がむしゃらに走ってまいりましたが、200メーターのところ辺りで平井コーチに声をかけていただきまして、少し元気をいただいて、また300メートルの辺りで、今度は平井監督からさらに大きな声援をいただいて、何とか第4コーナーも回って直線コーナーを走って、途中何度も苦しいときはございましたが、ゴールが近くに見えてきたと、そのような心境を今抱いております。40年間、よき上司、同僚、部下職員に支えられた40年だと思っております。  2つだけ心がけてきたことがございます。一つには、他者への想像力であります。相手がどんな人だろうかという、そういうことよりも、私の場合は、その人が病気をしているのではないか、あるいは家族の人は元気だろうか、介護や看護をされているのではないか、また大きな悩みを持っているのではないか、そのようなことを相手に対して想像しながら接したということであります。  もう一つは、無知は罪なり。無知の知という言葉があります。大変難しいことでありましたが、能力の範囲内で取り組みましたが、これは非常に高い壁でありました。  この2つの実践を心がけてきました結果、これまでお会いした人たちとは多少なりともコミュニケーションは取れたのではないかと思っております。相手の立場に立つ、また時には歴史的な背景についても考えてみる、これは当たり前なことでありますが、とても大切なことではないかなと思っております。  コロナ禍もいずれは過去のものとなります。密集から分散へ、また密から疎へ、鳥取県にチャンスが巡ってくると思っております。議員からも本日はアフターコロナについて、価値観が変わってきたのではないか、新しい鳥取県をつくっていかなければならないとか、具体的には観光の戦略でありますとか共生社会の実現、また何より大事な教育、また教育者をまた育成すること、それらを引き続きしっかりと鳥取県は前へ進めていくべきであろうと思っております。  議員各位におかれましては、今後ますますの御活躍を祈念いたしますとともに、何よりも執行部に対しまして温かい御支援を賜りますように切にお願いをいたしまして、私の感謝の御挨拶といたします。長い間、本当にありがとうございました。(拍手) ◯議長(内田博長君)24番浜崎議員 ◯24番(浜崎晋一君)副知事、本当に御苦労さまでありました。県内外との交流推進に非常に大きな歩みを進めてこられましたし、県庁内においても知事の直下で全ての県庁職員に対してのまとめという部分で大変だったと思います。今後も県政に対するアドバイス、折に触れて頂戴できればと思います。本当に御苦労さまでございます。  時間がありませんが、最後にもう一つありますので、急いでやりたいと思います。  6月6日でした、皆さん。山縣選手が布勢スプリントの100メートルで、9秒95の日本新記録を樹立しました。昨夜の話ですが、この山縣選手は東京オリンピックの選手団の主将に起用されるということにもなったようであります。幾度も実力はありながら運に恵まれなかったが、不屈の男でありまして、そのたびにしっかりと復活してきたと。東京五輪を前に、このたびの鳥取の地でも参考記録とならないぎりぎりの追い風、2.0メートルというまさに神風であります。それを受けての快走でありました。  コロナの影響で地域経済は大打撃を受けておりますが、県民生活も緊張と忍耐が続き、気のめいりがちな中ではありますが、この山縣選手のように、来るべきときに反転攻勢に打って出る、しなやかでたくましい精神の下、どんなに苦境にあっても堅実に力を蓄えていく、こういった姿というのは教訓になるというふうに私自身思っております。  本県においても感染予防対策を図りつつ、事業者をしっかりと支援し、障害のある方や高齢者、子供たちを含めて、県民が心の底から笑顔で過ごせる毎日が迎えられる新たな時代をつくっていかねばと思っております。  改めまして、今議会の締めくくりとして、最後に知事から県民に向けての力強いメッセージをいただいて、私の一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。 ◯議長(内田博長君)答弁を求めます。  平井知事 ◯知事(平井伸治君)(登壇)浜崎県議から最後に御意見を頂戴いたしました。  議員がおっしゃるように、今、私たちは新しい光を見詰めて、未来に向けてもう一度上を向いていかなければならない、そういうときだろうというふうに思います。  そういう意味で、山縣選手のお話もございましたし、例えば照ノ富士関も序二段まで落ちながら、上がってきて大関になって頑張ってよかったなというふうに言っていましたけれども、そういうことを私たちは本当にうれしく受け止めさせていただきました。山縣選手も故障があった中で立ち直り、走るフォームを変えてあの栄冠をつかんだわけでありますが、その布勢のグラウンドで神風を吹かせたのは、多分鳥取県民だったのではないかと思います。私たちにはそういう立ち直る力、物事を立ち直らせる力というものが、豊かな自然と人々の絆の中に確かにある、そういう本当のふるさとなのではないかなというふうに思います。今、くじけがちな心であるかと思うのですけれども、ただ、本当に事業者の皆様も一生懸命頑張っておられます。私たちは支え合っていかなければなりません。  このたび、山縣選手は主将に起用されることになりました。これは間違いなく日本新記録が後押しをしたのでありましょう。副主将は石川佳純選手で、この方も山口県の方なのですね。中国地方で何となく独占した感じがあるのですけれども、思い起こせばリオのときは吉田沙保里選手が主将を務めておられました。吉田選手のお言葉で印象に残る言葉があります。私は勝ち続けたから成長したのではない、負けてこそ強くなったのだということであります。やはり人間というのはそういう作用があるのだと思うのですね。やはり立ち直っていく、そこで本当の力が生まれてくる、それが霊長類最強になった吉田選手の底力だったと思います。私たちも、霊長類とは言いませんが、日本最強ぐらいは目指していければというふうに思います。  「初夢に ふるさとを見て 涙かな」と一茶が詠んでおられますけれども、私たちはそんな夢を結ぶふるさとにしていきたいと思います。 ◯議長(内田博長君)これをもって、県政に対する一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。  それでは、議案第1号から第14号までは、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  また、議長において受理いたしました請願、陳情は、既に配付している文書表のとおりでありますが、先般、取下げのありました陳情3年総務第11号「新型コロナウイルスに係る国民・自治体への経済的・財政的支援を求める意見書の提出について」を除き、これらも、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。  お諮りいたします。  この際、決算審査特別委員の辞任・選任についてを本日の議事日程に追加することに御異議はありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議はないものと認め、さよう決定いたします。  それでは、お手元に配付しております名簿のとおり、辞任を許可し、新たに選任したいと思います。  これに御異議はありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議はないものと認めます。よって、辞任を許可し、新たに選任することに決定いたしました。  本日の議事日程は全て終了いたしました。  これをもって散会いたします。        午後2時26分散会    ────────────────...